第41話 Mathematics ページ43
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貴「ねー場地」
場「なんだよ」
貴「もうすぐビッグイベントあるの知ってる?」
場「あ?中間テストだろ?
だから勉強してんじゃねーか
…ここ教えろ」
今日は場地に数学を教えている。
私は数学が好きだ。
方程式を覚えれば答えがすぐ出るから。
場地が分からないところを説明するが頭が追いついていないようだ。眉間にしわを寄せて首を傾げている彼をよそに話の続きを始める。
貴「1ヶ月後、一虎が出所する日」
場「……知ってたのか」
貴「そりゃね」
ペンを走らせる音が止み、妙な沈黙が流れる。
場地は何を考えているか分からないとよく言われる。
私は大変分かりやすいと思うが。
貴「一虎、止める気?」
場「…あぁ、マイキーにはオマエがついてればいい」
貴「私だけじゃ万次郎止められないよ」
万次郎は一虎を殺す。
今まで私と場地で抑え込んできたその殺意はきっと一虎の姿を見ただけで、あっという間に器が割れた水のように万次郎を一瞬で飲み込む。
一虎も万次郎を殺す。自分を肯定する為に。
貴「私は万次郎にも一虎にも幸せになってほしい
その為には場地の力が絶対必要なの」
場「ハッ、どんだけお人よしだよ」
貴「もちろん場地にも幸せになってほしい」
場「よくそんなこっぱずかしいコト
本人の前で言えんな」
貴「まぁ、場地の場合
その前に中学卒業してもらわなきゃね」
場「喧嘩売ってんなら買うぜ?」
貴「あ、ここ間違ってる」
場「まじ?ドコ」
途中式を間違えたらしく解説してやるとまた眉間にしわを寄せた。
そんな時場地の家のインターホンが鳴った。
玄関から聞こえる声は千冬だ。
……本当にこの2人仲良いな。
千冬は片手にコンビニの袋を持って上がってきた。忠誠な壱番隊副隊長様は私を見るなり何故か申し訳なさそうな顔をした。
冬「悪い…いると思わなくて……
Aの分のペヤング買って来てない…」
貴「お気になさらず」
冬「んーと……あ、パピコ食う?」
貴「食う〜〜〜!」
そろそろお昼だ。
千冬もペヤング買ってきたことだし休憩だ。
そう言うと場地は結んでいた髪の毛を解いた。
場「あー、腹減った」
冬「場地さん!!
ペヤング買ってきたんで半分コしましょ!!」
場「わーったわーった」
人生は数学みたいに簡単じゃない。
そんなことは分かっているが思わずにはいられない。
こんな平和な日がずっと続けばいいのに。
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わびすけ(プロフ) - あかさたなはまやらわさん» 原作、場地くんファンの皆様にご不快な思いをさせていたことになりますのでご指摘とても助かります!ありがとうございます!今後とも今作をよろしくお願いします。 (2021年10月31日 13時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あかさたなはまやらわ - この作品最高です!で,気づいちゃったのですが…2話の場地くんを紹介するところで場地が馬地になってました,,細かくてすみません (2021年10月30日 22時) (レス) @page4 id: 5ef1823fc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 漆Pさん» 初めまして。そのように仰っていただけて嬉しいです!三ツ谷の登場回これから増やしていく予定ですので楽しんでいただければ幸いです。これからもどうぞ今作をよろしくお願いします! (2021年7月28日 8時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 初めまして!小説拝見させてもらってます!毎回三ツ谷がカッコよすぎて読んでるこっちもドキドキしてます(*´v`*)こんな楽しいお話書いてくださりありがとうございます!無理なく更新がんばってください! (2021年7月27日 15時) (レス) id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるように頑張ります! (2021年7月16日 14時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年7月10日 21時