【東卍】私の幸せ【三ツ谷隆】

第22話 Spectacles ページ24

*




久しぶりに万次郎の後ろに乗せてもらっていた時だ。
場地に相談があると呼び出されたのは。



貴「え！？場地留年したの！？」


場「…オゥ」


貴「義務教育の中学で！！？」


場「……」


貴「じゃあ私と同じ学年なんだ！」


場「ッルセェ！バカにしてんだろ！」



それは馬鹿にするでしょ。
高校ならともかく義務教育で留年なんて中々の猛者。

授業中寝てばかりの万次郎ですら進級できるのに。
場地の頭の悪さは本物らしい。薄々気づいてたけど。



場「オフクロが泣いちまってよ…
勉強しねーといけねぇのは分かってる

けど頭に入ってこねぇんだよ…！」



真剣な顔して万次郎と私に相談する場地。

授業の内容が頭に入ってこないってどゆこと？
聞けばわかるじゃん？
……場地の気持ちがよく理解できない。



万「とりあえずメガネかけとけば？」


貴「は？」


万「メガネかけとけば頭良くなるよ」


場「マジ？」


万「マジ。ケンチン呼んで買い行こーぜ」


場「のった！」


貴「マジ？？？」



コイツら馬鹿だ。知ってたけど。


一緒に行くか誘われたが付き合ってられなくてパス。
きっと呼び出されたドラケンもこの話を聞いて呆れることだろう。本当にいつもお疲れ様です。

今日は予定無いから三ツ谷にバイク乗せてもーらお。


その数時間後、ドラケンから武蔵神社に呼び出された。
一緒にいた三ツ谷と救急箱片手に向かう。



貴「…なんでメガネ買いに行っただけなのに
こんなケガしてんの？」


三「しかもケガしてんの場地だけ？」


ド「おー、三ツ谷も一緒だったんか」


三「ウース」



訳を聞けば、渋谷にメガネを買いに行った。
───…そこまではいい。

その後、肩が当たったヤンキーと喧嘩。仲間大勢呼ぶからとイキるヤンキーの仲間を待つ。約40人程来たので3人でジャンケンして勝利した場地が1対40を楽しんだらしい。

何考えてんのかさっぱり分からん。
理解できる方がおかしいのだ。私は正常。



貴「そんで？肝心のメガネは？」


場「忘れた」


貴「え？バカじゃん…」



そうだ…馬鹿だった……

バカも治るといいねという意味合いを込めて、消毒液をたっぷり染み込ませた綿を傷口に押し付けてやった。



場「イッッッテェ！！！」





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