【東卍】私の幸せ【三ツ谷隆】

第21話 Dog ページ23

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春は別れと出会いの季節。

真一郎の死から約半年。
いつの間にか中学へと進級していた。


東京卍會、渋谷を仕切る暴走族の総長マイキー、の妹として入学当初はエマと一緒に全校生徒にビビられた。



エ「A、テスト一位？」


貴「結果にはそう書いてあったねぇ」


エ「そんで今日は何部？」


貴「バスケ部！大会までね」



だが期間を経て危険ではないと認識してもらった。

今や友達もたくさんいるし、運動が人より得意からか部活動の助っ人として協力させてもらっている。陸上部の顧問から毎日勧誘を受けるが丁重にお断りさせていただいております。


ジャージに着替えてバスケ部の練習に参加する。



万「Aー、いるー？」


貴「万次郎…？とドラケン？」


ド「ブハッ！オメー次はバスケかよ！」


貴「そ。楽しいよ〜」



いきなり現れたマイキーとドラケンに驚くみなさん。その場にいた私以外全員の顔が青ざめたので、一言謝り練習を抜けさせてもらう。

万次郎とドラケンを見えないところまで誘導してから話を聞くこととしよう。



貴「また集会？」


万「そ」


ド「マイキーがどうしてもってよ」


貴「私メンバーじゃないんだし
良い顔しない人もいるでしょうに」


万「そんなの知らねー！
オレはAをケツに乗せてーのー！」


ド「最近乗ってくれねぇってぶすくれてんだぜ」



子供か。あ、万次郎は子供だった。


短期間で爆発的に大きくなった東京卍會の集会。

一応総長の妹だが、新しく入った人はそれを知らない。大事な集会に私なんかがいたらきっと不快な気持ちにさせてしまうだろう。


それに変な輩に目を付けられるとも限らない。
創設メンバーには会いたいが安易に関わってはいけないほど東卍は本当に大きくなってしまった。



万「乗るって言うまで練習戻さねぇ」


貴「もはや強制」


ド「腹ァ括れ、Aー」


貴「恐喝かな？」



これは私が引き下がらないと駄目なやつだ。
確かに最近部活で忙しくてバイク乗ってなかったし…



貴「分かったよ…
じゃあ万次郎後ろ乗せてくれる？」



私の返答に兄は満足したのか笑顔でウン！と頷いて2人はどっか行った。遊び盛りの犬っころみたいに嬉しそうだったな…



急いで練習に戻るとにみんなに


「Aさんってマイキーの妹だって
再認識させられたわ…」

「いい子過ぎて忘れてた…」


───と言われた。
…忘れたままで良かったのに。





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