18話 ページ20
ご飯を食べ終えてお店を出る時、佐野さんはレジの前を通り過ぎようとしていて
店員の人もにこやかにお辞儀をして送り出そうとしていた
「あの、お会計...」
「既に済んでおります」
「え?!」
店を出てしまった佐野さんを追いかけようと店を出ると、佐野さんはお店の出入口の横で待っていてくれた
「あの、お会計っ」
「いい」
いいって言われても、納得なんて出来ない
「いくらですかっ?私が出しますから!」
「いいから別に」
「...でも、お礼...」
「お礼ならもうもらったし」
佐野さんはお礼をもらったと言うけど、私は何も彼にあげてはいない
不思議に思っていると、佐野さんはまた少し優しく微笑んだ
「ご飯、一緒に食べてもらった」
それだけで満足
そう言うけど、本当にそれだけで良かったのか
「家まで送る」
やんわりとした言い方だけど、雰囲気が何も望んでいないと言っているような感じがして私はこれ以上何も言えなかった
車の中での会話はなくて、気づけばアパートの前に着いていた
「そうだ、傘ありがと」
「いえ、こちらこそありがとうございましたっ」
「...それから何かあったら連絡して」
「?はい、わかりました」
車から降りて、ドアを閉める前に佐野さんに思い切って声をかける
「また、一緒に食事に行きませんかっ」
「...え」
「今度は私がご馳走します!」
佐野さんは、そのことに対して何も言わなかった
ただ、悲しそうな顔をして"またね"と私に言った
「...はい、また」
私はそのままドアを閉め、佐野さんはドアが閉まると車を走らせて去って行った
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娃莉紗(プロフ) - ゴリラの娘ですさん» コメントありがとうございます!そのお言葉だけで更新頑張れます...(´;ω;`) (2021年10月25日 20時) (レス) id: 877b6d7b57 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ、めっちゃ好きです。更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ペコリ。 (2021年10月25日 19時) (レス) @page5 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:娃莉紗 | 作成日時:2021年10月24日 19時