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第七話 ページ10

Aside

私達は人とよく似た姿をしているけど、人にあらざる者
人より遥かに強い力や治癒力を持ち、日に何十里も駆ける者すらいる
人は私たちのことをーー

鬼と呼んでいる

私達は遥か何百年も昔からこの日ノ本で人の目を隠れて暮らしてきた
人とは違う能力を持つ私達は人から奇異の目で見られ忌み嫌われてきたからだ
そう。人の世で言われ、恐れられる鬼だから
確かに遥か昔にはその力を利用して人々を苦しめた鬼もいた
また人に利用され振るいたくもない力を振るう鬼もいた
そして私達の先祖は、恐ろしい鬼と言われ人々から恐れられたり攻められたりした
先祖たちは悩み苦しんだ
人とちょっと違った力を持つだけで、争うつもりなどなかったからだ
本来の鬼は自らの力を知るが故に戦や争いごとを嫌っていた
だが、人は争いを好み、土地を、金を、糧を奪い、我が物にしてきた
人と鬼は決して交わることはなく、溝は深まるばかりだった
やがて無用な争いを避けるために鬼たちは人から距離をとりはじめた
人の集まるところを避け、小さな一族に別れて山奥にひっそりと暮らすようになった

今では人との関わりは生活をするための必需品や糧をやり取りするのみ
それ以外の関わりを断って私達は今に至っている
そして今
各地に散らばる一族の頭領達、十鬼衆と呼ばれる者が集められていた

A「・・・これが鬼と人間たちの歴史、か」

目の前に広がる池を見つめながら手に持っている筆を動かし私は自分で自ら吐いた言葉に溜め息を漏らす

A「人は愚かな生き物だ。陸は繋がっているのに気持ちはバラバラ。確かに人と鬼が共存することは不可能・・・と言いたいけど、今と昔は違う。まあ、その現状を変えるのは当代の八瀬姫様、あるいは・・・次代の八瀬姫様次第だよね」

硯の上に筆を置き再び池に目を向けた
周りに生える雑草たちが風で凪いでいる

A「鬼の歴史って・・・残酷だな」

冬の乾いた風の音を聞きながら空を見上げて呟いた

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倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» うん(*^^*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 倉野柚稀さん» 了解♪柚稀でいいのかな? (2014年3月6日 0時) (携帯から) (レス) id: 6e1daa70be (このIDを非表示/違反報告)
倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» うちのことは下の名前で呼んでもいいから(*`∀´*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 倉野柚稀さん» うん!よろしく〜 (2014年3月6日 0時) (携帯から) (レス) id: 6e1daa70be (このIDを非表示/違反報告)
倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» 了解した!じゃ、お言葉に甘えてタメで話すね(*´∀`*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:倉野柚稀 | 作成日時:2014年2月26日 1時

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