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第三十八話 ページ41

雪奈side

千羽「ふう・・・」

緊張が解けたのだろうか
姫は部屋に着いた途端、息をつく

雪奈「本当に大丈夫ですか?もしや、どこかお悪いのでは・・・」
千羽「単なる気疲れだから、心配ないわ。一晩休めば治ると思うから」
雪奈「でも・・・」

私は言葉を紡ごうとしたが

千羽「自分の身体のことは自分が一番よく分かっているから、大丈夫よ。あなたは心配性ね」

そう優しく微笑んでいるが、やはり姫の顔は青ざめていて、お世辞にも具合が良さそうには見えなかったけど・・・

雪奈「もし明日以降も体調不良が続くようなら、遠慮なくおっしゃってください。汐爺やAに言って薬を作ってもらいますから」
千羽「ええ、ありがとう」

それきり、私達の会話は途絶えてしまう
姫とは、まだ私が子供だった頃からのお付き合いだから、沈黙を気まずく思うことはないけど・・・
それでも、先程の広間でのやり取りで引っかかった事があったから、尋ねてみる

雪奈「あの・・・先程の広間でおっしゃっていた言葉には、どういう意味が込められていたのですか?」

先程の言葉には、単なる警告にしてはやけに確信めいていた

雪奈「もしや・・・夢のお告げで何かご覧になったのですか?」

八瀬一族の頭領ーー八瀬姫には代々、夢見の力が備わっている
その夢のお告げで、どのような出来事が起こるかを事前に知ることができるという
災害や争乱が起こるということを知っていれば、事前に方策を立てるのもたやすい
その為、災いが起こることが分かった場合、近くに住んでいる一族の頭領を呼び出して予言を授ける
そうすることで各地の鬼一族は、安泰をはかってきたのだ
八瀬一族が十鬼衆の中でも特に重んじられているのは、この特異な力によるところが大きい
私の問いかけに、姫はすぐには答えてくださらなかったけど、やがて・・・

千羽「・・・私が見る夢というのは、そこに至る過程や原因が分かるわけではないの。見えるのは、絵のような一場面だけ。・・・ただ、見た夢は今まで一度の例外もなく現実になったわ」

前置きする声は、先程広間で皆に警告した時よりもずっと深刻そうだった
そんな姫の表情を見ていると、先を促す事に恐怖を覚えるが・・・

雪奈「一体、どのような夢だったのです?」

心臓が跳ねる音を聞きながら問いかける
もし姫がいつも見ている類の夢てあれば、先程、広間で他の頭領たちに明かしても良かったはず
そうしなかったという事はーー

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倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» うん(*^^*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 倉野柚稀さん» 了解♪柚稀でいいのかな? (2014年3月6日 0時) (携帯から) (レス) id: 6e1daa70be (このIDを非表示/違反報告)
倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» うちのことは下の名前で呼んでもいいから(*`∀´*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 倉野柚稀さん» うん!よろしく〜 (2014年3月6日 0時) (携帯から) (レス) id: 6e1daa70be (このIDを非表示/違反報告)
倉野柚稀(プロフ) - アリスさん» 了解した!じゃ、お言葉に甘えてタメで話すね(*´∀`*) (2014年3月6日 0時) (レス) id: 212cb77ac7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:倉野柚稀 | 作成日時:2014年2月26日 1時

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