【十鬼の絆】～旋律唄～ (ページ2)

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序章二ページ2

夜具を片付け、自分の家で出かける準備をする

A「よし、これでいいだろ」

風呂敷の中にはいつも持ち歩いている筆と墨、そして紙が何枚を入っている
その一式を包み家を出た
すると

古老「おはよう絢ちゃん。今日もお出かけかい？」

家の前で近くに住んでいる古老に声を掛けられた
ちなみに私は本名ではなく源氏名である「絢華」と呼ばれている
それには理由があるのだが・・

A「おはようございます。はい、これから森の中にある水源に行くところです」
古老「そうかそうか。お主が描く絵、わしはいつでも待っとるぞい」
A「フフフ、待っていただけるなら私も頑張らないといけませんね」

古老に手を振り、里を出る

A「今日こそいい絵描けるといいな」

道を歩きながら呟く
私は、ある理由で八瀬の里に暮らしながら絵師をしている
そのため源氏名を用いているのだ
本名は本当に信頼できるものにしか伝えられていない
私の本名を知っているのはこの里の長「八瀬姫」や「八瀬姫」を護衛する雪奈姉さん、それに十鬼衆である汐見爺様。月島爺様。琴浦爺様と共に暮らしているおじさんとおばさんだけ
里の者でも一部の人にしか名を伝えていない
それに・・・姓も

A「思ったより早く着いちゃった」

私が足を踏み入れたところは森の中にある小さな水源だった
いつもここで絵を描いている場所でもある
そして私にとって唯一心を癒せるところでもあるのだ

A「さて、始めるとしますか」

道具を取り出した時だった

？「ぴぃー！」

上空から鳥の声が聞えてきた
上を見上げると空には白い翼をもった大きな鷹だった
やっぱりと私は思った

A「銀狼～こっちこっち」

私は手を振ると銀狼は私の右腕へ降りてくる
銀狼というのは雪奈姉さんの相棒の鷹で連絡役としてこうして飛び回っているのだ

A「私のもとに来たっていうことは・・お手紙か」

銀狼の足に縛りついている足を見てそう訊ねると銀狼は返事するように一鳴きする
手紙を解くと銀狼は私の右腕から飛び立つ

A「何だろう・・汐見爺様から？」

汐見爺様からの手紙を開くと私は綴ってある文を読む

A「・・・なるほどね。護衛でもないのにお誘いか」

思わず苦笑いする
手紙書いてある内容は・・・

八角堂に十鬼衆が集まることだった