自暴自棄少女

十四滴 ページ15

鬼退治後に蝶屋敷で手当してもらい、

し｢貴方は、どうしたらそんなに深い傷を作れるのですか？鬼に攻撃されるより酷いですよ？ちゃんと自覚してください｣

そんな説教を長々とされた。少しでも『…だって、私、血の呼吸しか…』と言い訳すれば、｢え？なんておっしゃってましたか？｣なんて言われ、黙ってしまう。

『はぁー、師範、胡蝶さんって少し怖い方ですね…』

実｢そりゃァ、お前が容赦なく怪我するから、心配されてるからだろ。｣

そんなことを師範から言われたら、胡蝶さんの説教が可愛らしく見えてきた。

実｢だとしても、今回は傷をつけすぎだァ。初めて、血の呼吸を見たが、恐ろしい技だァ｣

『へへっ！』

実｢褒めてねぇよ！むしろ、心配してんだァ！｣

『え？なんでですか？怪我しないといけないから？』

実｢それもあるが、壱ノ型は、危険すぎる。使い時を間違えるなァ｣

『？何故？』

実｢あの技は、結界があるだろ。もし、結界の中で鬼が襲ってきたら、その結果を解く方法が見当たらねぇ｣

『けど、今日の戦いで鬼に結界壊されましたよ？』

実｢俺が藤花と別れて、戦ってた時、たまたま俺の技が結界に当たったんだ。それでも、結界は、割れ目もつかなかった。つまり、｣

『外からの攻撃は、吸収されると』

実｢そういう事だァ。だから、気をつけろ。｣

わしゃわしゃ頭を撫でられ、師範は、自室に戻った。

実｢(心配が多い継子だァ…)｣

師範の悩みの種は、増えていくばかりであった。

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