猫かぶりは得意です 2【2j3j】 (ページ10)

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まだ産まれたばかりの赤子とその赤子を囲む男女2人。その雰囲気は消して幸せだとかそんな言葉で表せるものではなくもっとおぞましく険悪なものでした。愛し合っていた男女2人の間に生まれ落ちた赤子は望まれていない赤子で。
その赤子がこの世に生を受けた日からその男女2人はどんどん険悪な空気へと変わっていきました。

口を開けば罵詈雑言が飛び合ういつ手が出てもおかしくないようなそんな状態。2人は泣いている赤子を他所に喧嘩を続けるようなそんな環境でした。満足に愛情どころかお世話もされない赤子は健康とは真逆に育っていき年齢と比例しない小さくやせ細った病弱な少女へと成長してしまいました。
幼いながら少女は自分が望まれていない子だと言うことはわかっていたようでした。そして少女はそんな幼い頃から何かを悟ったかのように自分の心を殺し隠すようになりました。

そうして月日は過ぎ変わることのない悪環境からさらに一転し絶望の環境へと変化することになったのです。

耐えきれず家を出ようとした男を女が刺したのです。その時少女はまだまだ幼い年齢。目の前に広がっていく赤い海と苦しむ男をただ見てることしか出来ませんでした。男が苦しんでいる間も女はヒステリックになりながら叫び続けます。男は少女に逃げるように伝えました。このままだと少女の命が危険だと判断したからです。

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