君の声【２】

79話 Yside ページ31

結局練習中にAが来ることはなかった
ホテルに来るのかな？
でもどこに泊まるとか教えてないし…
打ち合わせが終わったらLINEしてみるか

後ろの方で日本人スケーターみんなで集まってたらどこかへ行ってた大ちゃんが戻ってきた

大「ゆづ、１番前に行こうぜ。みんなも」

「あれっ、大ちゃんパーカー着てなかったっけ？」

大「ちょっとね」



「では、今回出てくださるアーティストの紹介をします」

入ってきたのは5人の男女…でも最後の１人がかなり怪しい
キャップにマスク、着ている大きめパーカーのフードまでかぶってる

信「最後の人、めっちゃ怪しくない？」

「思った。でもあのパーカーって大ちゃんのじゃない？ 知り合いかな？」

ちらっと大ちゃんを見ればニヤニヤしてるからきっとあの人が誰か知ってるんだろう

田「続きましてサプライズゲストになります」

田「MARIAさんです」

はっ!?
MARIAって、まさか

『はじめまして、MARIAです』

そこには会いたくて堪らなかったAが笑顔で立っていた


ビックリしてる間に打ち合わせは終わり、急いでAのもとへ行こうとしたら佳菜とノブくんに先越された

あっ、ノブくん手握ってる
振り払いたいけど、付き合ってる事は話してないし…
てか、いつの間に大ちゃんとハイタッチする程なかよくなってんだよ

佳「Aと大ちゃん、いつの間に仲よくなったの？」

佳菜も不思議に思ったのか質問すると

大「実は…おれたち…」

なんて言いながらAの肩に手を置いたのを見た瞬間、体が勝手に動き気づいたときには腕の中にAがいた

「おれのなんで触らないでもらえますか？」

おれがそんな事を言うなんて誰も思いもよらなかったんだろう
おれ自身何言ってんだろって思う

Aがおれの肩に額を押し付けるけどみんなが固まっている間に移動しようと体を離し手を引いて部屋を出た

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