25話 ページ26
スタッフさんの前に連れてこられると
「君がピアニストのA 聡さんの娘さん?」
と聞かれたので、名乗ることにした
『はい、A Aと言います。父をご存知なんですか?』
「実は今回のアイスショーで聡さんとコラボをする予定だったんだけど…」
『そうだったんですか。よろしくお願いします』
「聡さんから連絡なかった?」
『さっき電話はありましたけど、ここにいなさいって言われただけで特には何も…。…父に何かあったんですか?』
「落ち着いて聞いてね。聡さん、空港で倒れられたんだ」
『…えっ!?』
一瞬で頭が真っ白になったけど手を繋いだままだった結弦くんがぎゅっと強く握ってくれたので立っていることができた
『…それで…父は?』
「詳しい検査結果はまだみたいだけど、聡さんは過労だって言ってたよ」
『…よかったぁ…』
「それでここからが本題なんだけど、聡さんが今回のアイスショーは君に代わってほしいそうなんだ」
『……えっ、えぇー!?』
ほっとしたのも束の間スタッフさんからあり得ない事を聞かされる
パニックになってると右手に持ってたスマホがなる
『あっ、父からです』
スタッフさんにも聞こえるようにスピーカーにしてから出る
『お父さん、倒れたって聞いたけど大丈夫なの??』
「今はなんともないよ。ただ帰国したばかりだから1週間検査入院することになったんだ。A、アイスショーの事は聞いた?」
『今、聞いてたところ。お父さんなら代わりをつとめてくれる人たくさん知ってるでしょ?
どうしてわたしなの?』
「このアイスショーは震災の復興を願ってのものなんだ。だからAが1番の適任者だと思ってる。たくさんの人に前を向いてほしいんだろ? その気持ちを届けられるのが今回はピアノなんだ」
お父さんはわたしのしたいことを理解してくれている
その上でやれると言ってくれるならわたしの答えはひとつだ
「A?」
『お父さん、わたしピアノ弾く』
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はら - 実在する人物のお名前を借りる二次創作になるのならオリジナルフラグは外して下さいね。違反行為になります (2018年5月10日 9時) (レス) id: b67bdd910f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆづ子 | 作成日時:2018年5月10日 8時