16話 Yside ページ17
10時過ぎってメールきたからそろそろいいかな?
『もしもし』
「もしもし、結弦だけど…今、平気?」
『大丈夫』
「あのさ、友達からきいたと思うけど俺の話聞いてくれる?」
『もちろん』
俺はあの日の事を話した
あんまり詳しく話すと鮮明に思い出して寝れなくなるから軽くだけどね…
「このままスケートやっていいのか考えた。でも家族・コーチ・スケートの仲間・ファンのみんなとか本当にたくさんの人が支えてくれてる事に気づいたんだ」
「俺にできることを頑張っていつか恩返しができればいいなと思って練習を再開した」
「だからAちゃんに『見てるだけで元気になれた』って言われて、俺の思いが届いたんだって分かったら泣いちゃったってわけ」
『……そうだったんだ。でも結局はわたしの一言で泣いちゃったって事じゃん』
「あー、そっかー。でも傷ついたからじゃないんだしホントに気にしないで。それよりAちゃんのことも教えてよ」
『わたしのこと? じゃ、結弦くんから質問して?』
「んー。あっ、バイトって何してるの?」
『えっとね、音楽事務所でバイトっていうかお手伝いしてるの』
「音楽事務所!?」
『今年の春休みにスカウトされたの。今はデビュー目指して勉強中なんだ』
「すごいじゃん。じゃ、Aちゃんの夢は歌手になること?」
『ちょっと違うかも? 震災の時たくさんの人が辛い思いをしたけど前に進んでもらいたいって思ったの。そんな気持ちを伝えられるのが歌だったって感じかな。結弦くんの夢は?』
「オリンピックの金メダリストになること」
『金メダリストかぁ、なれるといいね』
「なれるんじゃないよ。絶対なる。Aちゃんだってそうだよ。絶対デビューする、そう思わなきゃ」
『…そうだよね。自分で自分を信じないとね。』
Aちゃんともう少し話したくて俺はどんどん話しかけた
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はら - 実在する人物のお名前を借りる二次創作になるのならオリジナルフラグは外して下さいね。違反行為になります (2018年5月10日 9時) (レス) id: b67bdd910f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆづ子 | 作成日時:2018年5月10日 8時