the day 4《 臣隆 》

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直人「おつかれー」









仕事が終わったのは
日付が変わってからだった。



パラパラとみんなが帰り、
隆二が隣で鞄を整理して
帰り支度を進めている。









臣「なぁ、隆二の言ってた女、」

隆二「ん？」

臣「名前、Aっていうの？」

隆二「え？」

臣「あ、さっきリハ前に電話してんの聞こえて」

隆二「あぁ、うん。」









あの隆二の電話を聞いた後、
すぐに控え室に戻った。

NAOTOさんが
「隆二、恋してんのねー」って
ふざけて健ちゃんに話してて、


「その子、仕事で今福岡なんだってー」ってペラペラと話していた。









臣「遠距離なんだな」

隆二「なんで知ってんの」

臣「NAOTOさん」

隆二「…言わなきゃよかった」

臣「何してる人？」

隆二「普通のOL」

臣「ふーん。」









やっぱり隆二はその子の話をする時、
表情が柔らかくなる。





いいな、って。

素直にそう思った。









俺も、Aの話をする時、
そんな表情になってたのかな。









隆二「じゃ、おつかれー」

臣「おー」









帰りのタクシーの中、
いつものようにスマホを見つめる。




時刻は12:45。

明日は日曜だし、
起きてるか？



かけようか、
やめようか。









「お客さん。」

臣「うwjmr」









突然の呼びかけに
変な奇声と共に押された発信のマーク。









臣「な、なんすか？」

「あ、すみません。この先工事中なんで迂回します」

臣「あ、はい。」









なんだよ。









《 …し？ 》


《 …しもし？ 》









なんか声する？ってスマホを見ると



【 通話中 】









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