私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ6)

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53話ページ6

...まったく、親子そろって面倒かけるねぇ？

この調子だと、ラケルタも....いや、考えるのはやめておこう。

そうだ。面倒ごとは、全てケンゲ君に任せればいいじゃないか！

あいつを一族の長に任命して....あれ、元の長って誰なんだ？

リムル「じゃぁ、これはどうだ！」

別のことを考えていた私は、突如四方八方から飛び出した糸に絡めとられた。

う、[粘鋼糸]か！？しまった！

物理無効でも、攻撃でない限り無効化ができないのだろう。

身動きが取れない。

え？どうしよう！？

リムル「よし、俺の―――」

《告。スキル》

そっか、[覇気]で飛ばせばいいんだ！！

私は聞こえてくる声を全て無視し、自身の妖気を解放した。

もちろん、[範囲結界]で、リムルやリグルが[覇気]に当てられないよう配慮して。

リムル「うわ、マジか！[粘鋼糸]破るのかよ！」

はっはっは、リムルも驚いているようで何より。

ん？待てよ、[範囲結界]....？

　

.....[範囲吸収]使えばよかったじゃんっ！！

　

いや、まぁ。こっちの方が見た目的にかっこいいし。

　

その後、結局リムルが降参したことで、この訓練は終わりを告げた。

お互い本気ではなかったし、本当の目的も達成したので、私としても文句はない。

私とリムルは談笑しあい(喋っているのはリムルだけだが)ながら村へと戻った。

　

*

　

....一体、どうしたというんだ？

ホブゴブリン達の笑顔に、私は困惑する。

「A様、おいしそうな果物が取れたんです！味見します？」

「A様ー、今から村周辺の警備に行くんですけど、一緒にいきません？」

あれから数日。

察しのいい人はもうお気づきだろう。

そう！！私、何故かA様と呼ばれるようになっちゃいました。

何がいけなかったんだろう。

一昨日、ゴブタに夕飯をとられて、威嚇で一発[黒雷]を放っちゃったことかな？

それとも、この前訓練中に[覇気]を使ったときに、間違ってリグルが浴びちゃったりしたのかな？

うん、多分後者だろう。

食べ物の恨みは怖いのだ。他人の食糧を盗るときは、死ぬ覚悟で盗らないと駄目である。

まぁここ数日でA様と呼ばれるのも慣れたし、別に気にしなくていいか。