私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ35)

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81話ページ35

偽名を決めて、早数日。

シュナはソウエイの持ち帰った素材から、絹糸を作り出すことに成功している。

それを用いて絹織物を作製し、女性達の人気者となっていた。

麻の服と比べれば、異次元レベルでモノが違うのだから、それも当然だと言える。

最近ではハルナを筆頭にシュナが師事し、織物の技術を学んでいるようだ。

惚れ惚れするような仕事の速さである。

あんな大人になりたい。

チェパロを介して聞いた話では、リムルの名付で得た[解析者(サトルモノ)]のおかげらしいけど、それでも十分凄いと思うのだ。

他の仲間達には特に変わりはない。

しいて言えば、ベニマルが最近食堂でぶっ倒れていることだろうか。

ゴブイチがいつも回復薬で救助してるんだけど、何があったんだろうね。

今度、チェパロを介して聞いてみよう。

後は...そうだな。

この前、ガビルとかいうトカゲが、配下になるチャンスをやろう！！とか言って来たぐらいかな？

え、結構重要なことだろって？

だってあいつ、弱かったんだもん。

あのゴブタに、一騎打ちで負けたんだよ？

馬鹿は嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、上司になると言うなら話は別だ。

かのナポレオンも、“真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である”と言ってたからね。

戦場という特殊な状況で、尚かつその無能が上司だったら、たまったものではない。

すまんな、ガビル。

私は面倒見がいいから、部下になりたいと言うならしてやったんだがな....

　

分身(本体ー！ちょっと話したいことって、なんだー？)

感傷に浸り、木陰で休んでいる私に、慣れ親しんだ声が聞こえた。

分身だ。

(おぉ、分身。結構大事なことなんだけどさ.....)

分身(待て、当てよう......さては、トカゲ達以外にも話し相手が欲しくなったな？)

　

用件を言おうとしたら、見事に当てられてしまった。

そうなのだ。最近このペット生活もマンネリ化してきたので、私はある策略を立てた。

それが....この村で、チェパロ以外の話し相手を作ること。

もちろん、全員ではない。一人いれば十分だ。

　

(さすが私！その通りだよ！！)

分身(ふふふ。私のことを一番わかっているのは、私だからな！)

(やっぱね、私だもんね！以心伝心なんて容易いよね！)

　

分身・本体((あっはっはっはっは！！！))

　

分身(.....本題に入ろう)

(.....だな、同感)

自分がもう一人いたとしても、所詮一人漫才だもんね。悲しいね。