私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ30)

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76話ページ30

そうと決まれば、ハクロウの手の内をさらけ出すのに全力を注ぐのみ。

ふふふ、待ってろよハクロウ。技術を全て盗んで、アンタを絶対驚かせ――――

　

ハルナ「Aちゃーん！シュナ様が、貴方用にローブを作ってくれたよ！」

　

《....》
　

『....』

　

黒い布を持ち、笑顔でこちらへと手を振ってくるハルナ。

それに続いて、他のゴブリナも数名。テントから顔を出した。

いや、これはさすがの私でもどうかと思う。

多分、今の思考は[救世主]と完璧に同調してるわ。

チェパロじゃないんだし、邪魔しないでくれよ....

リムル「お、頼んでたやつ出来たか。仕事が早いな、シュナは」

ベニマル「妹は裁縫も得意ですからね。」

木刀を構えたまま固まっている私の横で、そんなことを話しているリムルとベニマル。

もういいよ。切り替える。

シュナ....まだ会ったことないけど、漢字で書くと朱菜とかかな。

だとしたら、あの桃髪オーガか？朱色は紫色じゃないし。

いやでも、サウラーみたいにありえない髪色になる可能性もある。

今まで触れてなかったけど、あいつの髪色、オレンジだぜ？

一体その色素はどこから来たんだ。

ハルナ「はい、Aちゃん。着て見て！遠慮しなくていいから！」

もーーー。

後でって言いたいのに、伝わらない悲しさ。

いつのまにか、ハクロウも木刀しまっちゃってるし。

　

あぁいいよ。着てあげるよ！！

　

ヤケクソになりながら、私はハルナから黒ローブを受け取る。

そのローブは現在着用しているローブよりも下が長く、十字架の装飾で真ん中を留めてあった。

いつこんなもの作ったんだ？まったく......これ着れるの？

《解。問題ありません。》

...あぁそうか。独自進化したんだったね。

でもまず、今着ているローブをどうやって脱げば...

『！』

その瞬間、私の悩みは解消された。

ファサ、と地面に落ちる汚れた黒ローブ。

なんと、ローブが入れ替わったのだ。

ハルナ「やっぱり、似合うね！」

リムル「いい感じじゃないか！」

ベニマル「だな。そっちの方がいいと思うぞ、A」

それぞれが、それぞれの言葉で私を褒める。

それは嬉しいが....ベニマル、いつ私を呼び捨てにし始めたんだ？

まぁいいけど。私も呼び捨てにしてるし。

それにしても、肌触り良いなこの服。ちょっと光沢もあるし....

後で、シュナって子にお礼言おう。