私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ29)

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75話ページ29

リムルside

Aはよほどダメージを受けたのか、プルプルと小刻みに震えている。

ハクロウも、もうちょい手心を加えてやればいいのにな。

俺は同情しながら、Aの上に乗ってるゴブリン達をどかす。

リムル「A、俺だってハクロウにコテンパンにやられたんだ。

だから、気にすることは――――」

≪警告。個体名：Aの魔力が増大しました。警戒してください。≫

リムル「え？」

直後、Aが俺の感知から消えた。

慌てて後ろを見ると、Aがハクロウの前に立って木刀を構えていた。

ベニマル「Aのやつ、まだやる気なのか...？」

リムル「...俺もそう思った。というかベニマル、もう“様”は使わないでいいのか？」

ベニマル「いや、リムル様。Aは上司って言うより、

頭のいいペットって感じじゃないですか」

リムル「あー...確かに。あいつ素直だもんな。」

ベニマル「...Aって、特殊個体(ユニークモンスター)なんですかね？」

リムル「さぁ、どうだろうな？」

呑気に会話している俺達を前に、稽古は再会された。

　

*

　

リムル達を尻目に、私はハクロウの斬撃を必死に受け流していた。

『ッ...！！』

反射神経に頼ったギリギリの攻防だが、それでも何とか持ちこたえている。

[殺戮者]が解放されたのは僥倖だった。

ハクロウの動きについていけてるのは、[殺戮者]のおかげなのだから。

ハクロウの速度が変化するたびに、私は感知をかけなおす。

　
変化した速度を見切れないのなら、一度リセットしてその速度を見切れるようにすればいい。

例えて言うなら.....計測器だね。

感知で見切った速度を野菜として、変化した速度を果物とする。

野菜の重量を測った後、果物の重量を測るには、一度数値を0にしなければならない。

...引き算すればいいって？

あくまで“例え”だから、そういう突っ込みはナシで。

反撃はできないが、そういう理由で受け流すことには成功している。

これで、予測スキルとかあったらいいんだけどね。

　

どうだろう....出来ないのかな？

　

私だけでは解決できない疑問。こういう時は、先生に聞くのが一番だ。

　

せんせー！ハクロウの動きを予測することは可能ですかー？

　

《解。可能ではありますが、膨大な情報(データ)を集める必要があります》

やっぱり復帰したか。

情報収集？いいよ、得意分野だ！！