私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ25)

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71話ページ25

アヤside

サウラー「そ、それは誤解と言いますか....」

人の悪い笑みを浮かべるA様に、どう話そうか慌てているサウラーさん。

慌てなくていいのに、と私は思った。サウラーさんの理由は意外とちゃんとしているのだ。

その理由は、私を助けるため。洞窟内では食用に出来る魔物以外が生け捕りにされるので、

そのまま私を連れて行ったら殺されるんじゃないか、とサウラーさんは思ったのだ。

それで、自分と同じように人型になることを期待して、A様に名付けをしてもらった。

だが、人型になったといっても、意識不明のA様を私と一緒に運べば、仲間達が私を

警戒すると思い、私の提案を却下。

少し考えすぎだと思うが、A様に話せばそれなりの理解は示してくれるだろう内容だった。

A「誤解～？私が何をどう誤解してるっていうのかな？」

サウラー「それは、あの、私は...」

このままじゃ埒が明かない。恩返しのために、私は口を開いた。

アヤ「A様、サウラーさんは....」

A「....わかってるよ。どうせ、アヤが殺されるんじゃないかってビクビクしてたんだろ？

ケンゲにはもう連絡してあるし、問題ない。わざわざ名付けしなくとも、ケンゲ達は

こちらに危害を加えない魔物を無差別に殺めたりしないさ。サウラーは考えすぎだよ。」

アヤ「！...」

言いたいことを全部言われて、私は言葉に詰まった。

サウラー「え、ちょ、全部わかってたなら何で聞いたんですかぁ！？」

A「気分。」

サウラー「気分！？」

A「....冗談。いくら信憑性が高いとはいえ、推測だから100％とは言い切れないだろ。」

サウラー「あ、なるほど....」

今のサウラーさんでは、やっぱりA様に敵わないみたい....

A様が半ば呆れ顔で説明し、ようやく納得するサウラーさんを見て、私は溜息をつく。

その数秒後、A様がパンッと1回手を叩いた。

A「さて、二人とも。」

アヤ「？」

A「これからアヤの自己紹介と...ついでに会議するから、さっさと戻るよー。」

サウラー「あ、はい！」

アヤ「....はい」

　

*

　

分身「お、本体。おかえりー。」

洞窟にたどり着くと、変わらぬ様子の分身体がいた。

スリープモードに入ったから、一度破壊されたはずだが....再構成したのだろう。

ケンゲ「...サウラー、報告はきちんとしろ。」

サウラー「ごめん...」

アヤ「....」

分身「話は後だ、会議始めるぞ！」