私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ18)

今日:26 hit、昨日:113 hit、合計:600,398 hit

65話ページ18

ていうか、隣ハクロウじゃん！

師範の前でそんなこと始めたら、また昼間のしごかれ地獄が始まる可能性が....

でも、解析結果を破棄されたら困るし.....って待てよ？

解析“結果”ってことは、その材料...戦闘記録は破棄されない。

つまり、結果を破棄しても、また解析すればいいのでは？？

《問。個体名：ハクロウの技術(アーツ)を目で見て覚えるか、今から練習するか、

どちらがいいでしょう？》

うぐ....こいつ、脅し方が巧妙になってやがる。

別に、一度言ったことを取り消すつもりはないよ。ちゃんとやるって。

　

で？どうすればいいわけ？

　

《解。まず、個体名：ハクロウが感知にかからなかった理由ですが――――》

　

　

*
　

　

　
...........ふ～ん。

いや、そんな高等技術、出来る気がしないんですけど....

　

用は済んだのか、[救世主]からの返答はない。

　

...まったく、うちのスキルは自由だねぇ。

誰に似たんだろう？？

っと、早く始めないとまた脅されるな。

ベンチから降り、私は貰った木刀を構える。

ベニマル「？どうしたんだ？A様」

ハクロウ「....」

ヤバイ、ハクロウが真顔でめっちゃこっち睨んでる。怖い。

凄まじいプレッシャーに押し潰されそうになりながら、私は練習を開始した。

相手に自分の速度を見切らせておいて、それを変化させる。

[救世主]さんの話では、それで攻撃予測を誤魔化せるのだそうだ。

口で言うのは簡単なのだが、それを実行に移すのは難しい。

そりゃね、不規則な速度で攻撃を仕掛けてこられたら、対応するのも難しいってもんよ。

でもさ、私がいきなりそれをやれ、なんて言われて、出来ると思いますか？

何から始めればいいんだよ。お手本見せてほしいよ！！

《案。自動戦闘状態(オートバトルモード)に移行しますか？ YES/NO》

おぉ、その手が。

...初めて使うからよくわかんないんだけど、住人を殺しにかかったりはしないよね？

　

《解。主様の要望に背くことは致しません》

　

........へぇー。便利。

じゃ、お願いするよ。

《了。主導権の一任を確認。自動戦闘状態(オートバトルモード)へ移行します》

――――！？

途端、体から、自分の意思が消えた。

手を動かそうと思っても動かない。分身に思念も送れない。

　

.....。

　

かつてない不自由さを少し不快に感じたが、目標のため、思考を切り替え観察を始めた。