30話 ページ32
クレアさんには少し悪いが、長いのでまとめさせてもらうとこうだった。
―――2年前、クレアさんは西方のとある小国で、王の世継ぎであるデータス・トライゾンという
恋人とと過ごしていたらしい。
目が点になった。
クレアさんは貴族階級だったのか?
――答えは、王家の侍女。
なんとクレアさんは、給仕や接客を専門職とする、パーラーメイドだったそうなのだ。
勤め始めてから半年後にそのデータスに告られ、断るわけにもいかなかったので了承したという。
侍女が王族の求愛を拒むなんて、中々出来たものではない。
もし拒めば、怒った王家が彼女をクビにする可能性もあるし。
生活面から見れば、適切な判断だったと言えるだろう。
事実、自分に対する待遇は少し良くなったらしい。
クレアさんも、自分のことを考えてくれるデータスと話すのが、いつの間にか一番好きな
時間になっていたそうだ。
しかし...世の中、そう上手くいくものではない。
クレアさんはすぐに他の侍女から妬まれ、嫌がらせを受けるようになった。
嫌がらせは多種多様で、お茶を運んでいるときに足を引っ掛けたり、専用の制服を切ったりと、
結構悪質だったという。
....ま、嫌がらせってそんなものだけどね。
しかし、クレアさんはその事を気にしなかった。
いや、気にしてないというより...気にしないようにしていたと言った方が正しいが。
いつも変わらずにこやかに笑いかけてくれるデータスを見て、
毎日自分を元気付けていたそうだ。
データスとだけ話せる、王子のための部屋。
いじめも身分も気にせず、ただ笑いあえる素敵な時間。
それが、クレアさんの唯一の居場所。
それがあったから、クレアさんは強くいられたのだと言う。
....私と同じだ。
―――それから3年。
いじめは終わる兆しを見せず、クレアさんも疲れ果ててきた頃。
ある日、クレアさんがいつも通りデータスの部屋に行くと、突然
“クレア。僕と一緒に、王宮から逃げ出さないか?”
と、データスに提案されたらしい。
“結婚のこと、両親に反対されたよ。”
“でも、僕には君しかいないんだ。他の女なんて興味ないよ”
とまで言われたとか。
リア充ですねぇ、いいですね!!
そんな恋愛小説みたいな恋、してみたいわこの野郎....
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レミパチャ5号(プロフ) - 一之瀬神夜さん» マジですか(*‘∀‘)そう言われたのは初めてです(笑) (2019年1月21日 8時) (レス) id: a04d07692e (このIDを非表示/違反報告)
一之瀬神夜 - 男主がよかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!← 嘘です!女の子でも神です!頑張ってください! (2019年1月19日 21時) (レス) id: 5f454c6783 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - レミパチャ5号さん» こちらこそ受け入れてくださってありがとうございます。楽しみにしています(´∀`) (2018年12月21日 22時) (レス) id: 7384ff990e (このIDを非表示/違反報告)
レミパチャ5号(プロフ) - 彼岸さん» 誤字がありました。すみません。 (2018年12月21日 17時) (レス) id: a04d07692e (このIDを非表示/違反報告)
レミパチャ5号(プロフ) - 彼岸さん» 謝る必要はありまませんよ、むしろ助かりました。3日以内に変更しようと思います。ご指摘ありがとうございました。 (2018年12月21日 17時) (レス) id: a04d07692e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:remipatya | 作者ホームページ:http://201511kb
作成日時:2018年6月21日 21時