28話 ページ30
《[音波感知]を発動.....北北東から、個体名:クレア・シャーメインの音波を感知しました。》
[救世主]さん、北北東ってどっち!?
《現在の位置から右斜め前です。》
サンキュ!
「.....とを.....すれば」
『!』
まっすぐに飛んでいると、段々と何かが聞こえてきた。
クレアさんだ!
ここまで聞こえれば後はわかる。
何を話してるか分からないが、お土産に牛鹿の燻製もあるし!
最近元気ないから、一緒に狩りでもして....
クレア「―――ねぇ、A.....どうして、私を助けたの?
どうして、死なせてくれなかったの?」
『!』
私は、反射的に止まった。
《意識の波長の乱れを確認しました....[思考加速]を発動します》
そして[救世主]さんが、混乱し始める私を見切って[補佐]をする。
しかしその時の私は、自分の思考が加速していることさえ気づかなかった。
今....何て言った?
どうして助けた?どうして死なせてくれなかった?
そう言ったのか?
....何故助けた?
そんなこと、決まってる。
仲間として、助けたかったからだ。
それの、どこが間違ってる?
クレアさんは―――生きたくないのか....?
その時、疑問が全て氷解した気がした。
死にたがる理由、それは、この世界でもう生きたくないからに他ならない。
でも...それは少し、理不尽だ。
心の中で、私は不満を漏らした。
前世の記憶がある私としては、死にたがる人の心理がわからないわけではない。
だが、それで怒るというのは、助けた側からすれば逆切れも甚だしい。
『何故....そんなことを聞くの?』
それが....他人へかけた、初めての言葉だった。
*
クレア「....え?」
目を見開いて驚くクレアさん。
しかしこうなった以上、黙る必要はなかった。
私は続ける。
『私は、助けたかったからクレアさんを助けた。ただそれだけ。
....それとも何?
貴女は、死にたくなるような、私やリムル達に言えない様な事情があるの?』
核心にいち早く辿り着く為に、私は即座に鎌をかけた。
ちなみに、比喩だ。本当に鎌をかけてはいない。
クレア「え、え??A、ちゃん?」
クレアさんは、案の定混乱している。
私も人間だったら、同じ反応だっただろう。
...だが、今の私は魔物なのだ。
彼女のペースに合わせる必要はない。
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レミパチャ5号(プロフ) - 一之瀬神夜さん» マジですか(*‘∀‘)そう言われたのは初めてです(笑) (2019年1月21日 8時) (レス) id: a04d07692e (このIDを非表示/違反報告)
一之瀬神夜 - 男主がよかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!← 嘘です!女の子でも神です!頑張ってください! (2019年1月19日 21時) (レス) id: 5f454c6783 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - レミパチャ5号さん» こちらこそ受け入れてくださってありがとうございます。楽しみにしています(´∀`) (2018年12月21日 22時) (レス) id: 7384ff990e (このIDを非表示/違反報告)
レミパチャ5号(プロフ) - 彼岸さん» 誤字がありました。すみません。 (2018年12月21日 17時) (レス) id: a04d07692e (このIDを非表示/違反報告)
レミパチャ5号(プロフ) - 彼岸さん» 謝る必要はありまませんよ、むしろ助かりました。3日以内に変更しようと思います。ご指摘ありがとうございました。 (2018年12月21日 17時) (レス) id: a04d07692e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:remipatya | 作者ホームページ:http://201511kb
作成日時:2018年6月21日 21時