ひとりじめ【緑】 (ページ33)

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抱きしめられたまま「行かないでよ」と言われ、
表情は分からないけど、多分これは拗ねてるな。

「え？」

中「行かないで。松倉とデート」

「で、デート！？いや！あの、古着屋さん見に行くだけで、決してデートでは、」

中「2人でしょ？じゃあもうデートじゃん。俺もAとデート行った事ないのに松倉に先越されるのヤダ」

…嫉妬ってやつ？

これは説得しなきゃ行けそうにはない。

「…私がデートする相手は海人君しかいませんよ？松倉君とはお友達なのでお買い物！」

中「うわ…まってすごい可愛い。やっぱダメ！尚更行かせたくない！！可愛いAは松倉に渡さない！！俺から断っとくから！！」

「え！？ちょっと～、古着屋さん行きたかったのに…」

中「俺と行けばいいじゃん。デートしよ」

「うぅ…」

ごめんね、松倉君。

どうやら彼は束縛が凄いらしい。

中「よし、お風呂入っておいで」

はいこれ、とTシャツとスウェットパンツを渡される。

「ありがとうございます、、」

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お風呂から上がり、ソファーでくつろいでる海人君の隣に腰を掛ける。

中「やっぱデカすぎた？」

「ん？…あ、服ですか？…丁度いいです」

中「はっ笑まってどこが丁度いいの笑」

いやまあ、確かにTシャツの裾は長いし、スウェットパンツの裾も捲ってはいるよ？

でもなんか服がでかいって認めたく無かった。

自分の事小さいって認めてるみたいじゃん。

そんなの絶対認めないし！！！

中「なんかいいね、俺の服着てるA」

「…どういうこと？」

中「可愛いってこと～」

…まぁ、海人君が喜んでるならそれで良いか。

その後も、

中「俺こういうのやってみたかったんだよね」

と言いながら楽しそうに髪を乾かしてくれたり、

ソファーで並んでアイス食べながらテレビを見たり、

小さな幸せなひとときを噛み締めた。

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