ひとりじめ【緑】 (ページ31)

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“俺と付き合ってくれない？”

…

「つ、付き合う！？」

中「そ、どう？」

いやいやいや、え？

やっぱあれガチ？

聞き間違いかと思ってたけど本気？

いや、でも私も好きなのは事実なわけで。

「まってください、あの、私も…っ、好きです。海人君のこと。いつも助けてくれるし、一緒にいて落ち着く、安心するんです」

中「じゃあ…」

「でも、ダメなんです…。私と、海人君は、付き合っちゃ…」

中「…なんで？」

「Travis Japanの夢、壊したく無いんです。もし、バレちゃったら…Travis Japan全体に迷惑をかけてしまうんです」

カレンにさっき言われたことを思い出す。

“Travis Japanにも影響出るし、あんたの信用もすごく下がるんじゃない？”

私の信用が下がろうが、お仕事が減ろうが、それはどうだっていい。

ただ、大好きなTravis Japanに迷惑はかけたくなかった。

中「…はぁ？そんな事考えてたの？」

少し呆れたような口調で話す海人君にコクコクと頷く。

中「だから、A分かってないようだからもう一回言うけど、その時はその時でどうにかなるし、Aと俺が付き合ってるのバレたからってTravis Japanの夢が叶わなくなるわけでも無い。だから心配しなくていいの」

ね？って首を傾げる。

「でも、、」

中「あー、もう！Aは俺のこと好きなんでしょ？じゃあいいじゃん！はい！もう付き合った～」

「え、ちょ！」

今からAは俺の彼女なの！それで良いの！なんて、子供みたいなこと言ってる。

まぁ、バレないように上手くやればいいか。

中「あ、そうだ、これあげる。手出して？」

「…？」

差し出した手の上に置かれたのはこの前預かった指輪のうちの一つ。

中「実はこれペア同士なの。奇跡的にペア同士残っててさ、もうこれAにあげるしかないって思ってて」

やっと渡せた～って嬉しそうにしてる海人君に釣られて私の頬も緩む。

「…ありがとう、大事にします」

中「うん、次は無くさないでね？笑」

あぁ、こんなに幸せで良いのだろうか。

どうかこの幸せがずっと続きますように…。

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