ひとりじめ【緑】 (ページ4)

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あれから数週間が経った日。

今日は石井さんと一緒にTravis Japanのテレビ雑誌撮影へ。

今は石井さんの運転で現場に向かってる途中。

石「そういえば前のトラビスの撮影、好評だったらしいじゃん」

「え、本当ですか！？」

石「うん。それでこれ」

なにか小さな紙袋が渡される。

石「開けてみ」

「わぁ、香水ですか？」

石「頑張ったご褒美で」

「…私臭かったですか？」

そう言うと大きな声で笑い出した石井さん。

あ、、中村君ならここで手叩いて奇声みたいな笑い方するとこ、、って。

何考えてんだ自分。

石「いやほら、前に金木犀の匂い好きでコロン付けてるけど匂いがすぐ消えるって言ってたじゃん。だからさ、香水なら長く続くし、ちょうど匂いもドンピシャな物があったから」

「ありがとうございます！すーごい、良い匂いです！！でもこんなに良いもの頂いちゃって良いんですか、、？」

石「うん。トラビスの撮影の時に俺別の仕事行ったじゃん？そこの監督と撮影チームが前、佐々木を連れてったドラマの撮影チームでさ、今日佐々木さんいないの？って会う人会う人に聞かれて、また佐々木さんと仕事したいって褒められてさ。そこもまた佐々木が頑張ってる証だから。そのご褒美も兼ねて。これからもよろしくな」

「そんなお褒めの言葉まで頂いちゃって、、本当にありがとうございます！今まで以上に頑張ります！！」

頂いた香水をふっと吹きかけた。

ふわりと香る金木犀の香り。

うん。やっぱり良い匂い。

今日も頑張ろっと。

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