ひとりじめ【緑】 (ページ27)

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駐車場の隅にある少しの物置スペースでカレンは止まる。

先ほどのところからは視覚になっていて、

ちょっと薄暗い。

カレン「Aさ、海人君のことなんて呼んでる？」

「…中村君」

カレン「嘘。私聞いちゃったんだよね？Aが海人君って呼んでるとこ。知ってる？海人君が自分のこと海人君って呼んでいいって言ってる人」

“大切な人、だけなんだって。“

カレン「それさ、まさかとは思うけどAじゃ無いよね？」

「ち、違うでしょ！ほ、ほら、仕事仲間だからそう呼ぶのやめてって言いにくいだけなんじゃ無いかな、はは…」

カレン「ふ～ん。じゃあさ、これはな～んだ！」

カレンが見せてきたのはさっきの手を繋いでる写真。

「っ…！それはっ…！！！」

カレン「これ売ったらどうなるでしょう？Aなら分かるよね？Travis Japanにも影響出るし、あんたの信用もすごく下がるんじゃない？」

「…消して、お願い」

カレン「え？タダで消すと思ってるの？」

もう二度と、海人君と馴れ馴れしくしないで。

そう、耳元で囁かれた。

カレン「分かった？」

「…」

カレン「返事は～？」

「っ…はっ…」

「ちょっと辞めてもらっていいですか？」

誰かに手を引かれ、後ろに下がる。

フワッと香るこの香り。

落ち着く声…。

目の前に見えるのは大好きな人の背中。

あぁ、私海人君のこと好きなんだ。

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