ひとりじめ【緑】 (ページ26)

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中「石井さん来るって？」

「はい。次の撮影の話し合いしてからみたいなんで、少し時間掛かっちゃうかもなんですけど、海人君もう帰った方が、」

中「え、危ないから石井さん来るまで待ってるよ」

「…ありがとうございます」

スタジオの入り口前に2人並んで石井さんを待つ。

「…あ！この前の上着返します」

中「あぁ、忘れてた」

「ほんとにいつもありがとうございます」

中「どういたしまして。あの後大丈夫だった？」

「大丈夫でした！海人君の上着着てたら夜道も全然怖くなくて」

不思議ですね～って彼の顔を覗き込めば、

中「あ～、今俺の顔見ないで」

「…？」

変なの。

かと思えば口元ゆるゆるな海人君が、

中「抱きしめても良い？」

って急に突拍子も無いことを聞いてくる。

「は！？だ、ダメですよ！！何考えてるんですか！！」

中「ダメか～。ちょっとだけ、ダメ？」

「ダメです」

お願いお願いなんて可愛い顔でねだってきてもダメなものはダメで、

あ～もう、石井さん早く来てくれないかな。

心臓が持ちません。

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「あれ？A？ここで仕事だったの？」

偶然だね～なんて言いながら近寄ってきたのは、

「あ、…カレン、お疲れ様」

カレン「わ！海人君！先程はどうも～」

中「…」

明かに不機嫌な顔の彼。

カレン「A、ちょっといい？」

「ん？」

カレン「ここで話すのは恥ずかしいから、ちょっと、あっちで話そ？相談があって、、」

「あー、、うん」

中「待ってよ。俺置いてくの？」

「す、すぐ戻るので！」

カレン「…」

スタスタ歩いて行くカレンの背中を小走りで追いかけて行った。

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