ひとりじめ【緑】 (ページ15)

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「どこだろう、、」

ビニールシート敷いてたところの周りは何度も確認したが、無い。

ポツ、ポツッ…

「うわ、雨降ってきちゃった」

あいにく雨セットは石井さんの車の中。

「…探さなきゃ」

小雨くらいならいいだろうと甘く見てた。

暫くして本格的に雨が降ってきた。

今は撮影した場所、海際を探してる。

海も荒れてきちゃった。

びしょ濡れだし、見つからない、、。

「…最悪、海人君になんて言おう…」

「呼んだ？」

「へ？…な、なんで、？」

そこには傘を持った海人君が、

中「指輪返してもらうの忘れてさ、石井さんの作業場まで取りに行ったのに石井さんが『佐々木なら、大事なモノ無くしちゃったんです！』って言って海にまだいるて言うから」

来ちゃった。

そう言いながら一歩ずつ近づいてくる。

「あの、その事なんですけど、、指輪一個無くしちゃって…」

とりあえず2個差し出す。

するとただでさえ大きくて丸い目をさらに開く。

あ、この顔見るの2回目。

「怒ってますよね、、本当にごめんなさい。アシスタントとしての信用も失っちゃいますよね…」

申し訳なくて顔を上げられない。

中「やば、、ちょー嬉しい」

「…へ？」

彼は何を言ってるんだ？

そう思った時にはもう遅くて。

バサッ

「ちょ、海人君！？濡れちゃう！」

傘を投げて私に抱きついてきた。

中「まじで嬉しい！A、俺の指輪を大事なモノって言ってこんなになるまで探してくれたんでしょ？」

可愛い～って大きな声で叫びながら抱きしめる力が強まる。

「怒らないんですか、？」

中「いいよそんなの。それより風邪ひいちゃうし帰ろ？」

その後2人でびしょ濡れになりながらタクシーに乗る。

「本当にすみません。座席濡らしてしまった上にタオルまで貸していただいて、、」

運転手「良いんだよ。若い君たちに免じてね」

運転手さんからミラー越しにウィンクを頂いた。

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