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「おれも〜」
「いいよ。次ね」
「じゃあ俺も」
「ごめん、卵もうない。ウインナーでいい?」
「なんでもいい。……タコさん、Aが作ったのか?」
「? そうだけど」
「いいな。なんか健気で」
「え、ありがとう?」
自分で食べる弁当に入れるウインナーをわざわざタコさんウインナーにしているAはめちゃくちゃかわいい。
「晃士郎は弓道部入るの?」
「ああ、そのつもり」
「Aの幼馴染ってことは、経験者か」
「俺は中学からっすけどね」
なんだかんだで先輩たちとも仲良くなった。
*****
それからしばらく経ち、弓道部は新入部員3人を迎えて計6人になった。
「不破、先輩にくっつきすぎだ。離れろよ」
部室に来るなり小言を言い始めたのは、同級生の二階堂だ。
俺は椅子に座ったAの後ろから手元のプリントを覗き見ていた。
「や、俺らずっとこの距離だし」
「え、そうだっけ」
二階堂は何故か最初からAのことを知っていた。理由を聞いても教えてくれないし、Aもわからないという。怖。
ただひとつわかるのは、二階堂もAのことが好きだということだ。
「あ、そうだ。二階堂、今度の大会のことなんだけど」
Aは俺らの攻防には我関せずといった感じで、席を立って二階堂の方に行ってしまう。
部長は荒垣さんだけど、この部を仕切っているのは実質二階堂とA。だから大会なんかの手続き系の話をよく2人でしている。
しょうがないからAの座っていた椅子に座り、スマホを眺めていた。
そこに二階堂と同じく同級生の太田黒がやってくる。さっきまでしていた筋トレはひと段落したらしい。
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作者名:三宮 | 作者ホームページ:https://alicex.jp/riiiiidoooosog7/
作成日時:2023年9月5日 0時