げんたとホワイトデー ページ31
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(着いたよ〜ん)
約束の時間の5分前、メールがきた。
(ありがと!すぐ行くね!)
返事をしてマンションの外に出ると「やほ〜」って手をひらひらする元太がいた。
『おはよ〜』
「おは!ねぇ、今日のAめっちゃくちゃ可愛いんだけど!髪巻いてるの珍しくない?」
挨拶もそこそこに駆け寄ってきた元太はその勢いのまま頭をわしゃわしゃ撫でてきた。
『たまにはいいかな〜って思って!変じゃないかな?』
普段あんまりしない髪型なだけにちょっと心配で聞いてみたけど、ニコニコ笑った元太は「変なわけない!世界一可愛い!大好き!」って言いながら抱きついてきた。
『…野暮な質問だった?笑』
「俺の中でAが可愛くなかった日なんて1日もないもん、365日ずっと可愛い!」
へへってはにかんだ後「じゃあ行こ〜」って手を差し出されて。
ちょっと意地悪したくてその手を無視して歩き出したら「えっ!?俺のこと嫌いになった!?」って眉を下げながら追いかけてくる。
「ねぇ、今日寒いよね?A寒がりだもん、手冷たいでしょ?俺の手ポッカポカだよ?」
隣を歩いて顔を覗き込みながらそんなアピールをしてくる姿が可愛くて、ついクスッと笑っちゃった。
『ごめんごめん笑 はい、どーぞ』
そう言って右手を差し出したら「もー、すぐ意地悪してくる」ってぶすくれながら左手を重ねつつ、当然のように指を絡めてきた。
『元太って絶対恋人繋ぎするよね笑』
「え?だってなんかこの方が嬉しいじゃん」
ニコニコしながら繋いだ手の力を強めた元太は、鼻歌を歌いながらご機嫌に歩き続ける。
10分くらいして「ここに入る!」って立ち止まったのは元太御用達のブランド。
中に入ると、仲の良い店員さんがいたのか楽しそうに話し始めた。
邪魔するのもな〜って思って1人でアクセサリーのコーナーを見てたら、元太が持ってるのと少しデザインが違うリングを見つけた。
元太のとは違って華奢な感じで私でも付けやすそう。
お高いリングって持ってないし、1個くらいあってもいいかもな〜って自分が持ってる洋服と頭の中で合わせてみる。
「へー、それ可愛いじゃん」
『わっ!?びっくりした!!』
後ろから覗き込むようにして声をかけてきた元太に驚いて、反射的に振り返った。
「そんなびっくりすると思わなかった、ごめん笑」
『お話は?終わったの?』
そう聞くと「うん!待っててくれてありがと」ってはにかまれた。
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もふ汰(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます!季節の変わり目なので、美紀さんもお身体ご自愛ください。 (2022年3月8日 2時) (レス) id: 4444c9f994 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとですコロナに気をつけてくださいね (2022年3月5日 16時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
もふ汰(プロフ) - あやのさん» コメントありがとうございます!1番好きな作品だなんてすっごくうれしいです(T_T)♡ これからもゆっくりペースになってしまうとは思いますが、更新頑張るので一緒に楽しんでもらえたら幸いです! (2022年1月22日 1時) (レス) id: 4444c9f994 (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - リアルで読んでてニヤニヤしてしまいます!今一番好きな作品で、毎日のモチベがこの作品なので更新大変だと思いますが頑張ってください! (2022年1月21日 23時) (レス) @page2 id: 662e31f843 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もふ汰 | 作成日時:2022年1月21日 23時