こっち見て！ DREAM様！

銃なんて持てない！怖いよ！ ページ16

「え〜ん、全然DREAMさまに会えてなくて寂しいです〜。」



最近はいい兄さんの日とかいい双子の日とか会って、珍しくMAREくんと仲良く過ごせたりして優しい笑みを浮かべるDREAM様を見る機会があったりしたのに！

もう、十一月も終わっちゃうよ！


……とかなんとか考えているうちに、NIGHTMAREさんが来たみたい。
気づかなかった。



ﾒｱ「おい。」


「ハイ！」


ﾒｱ「お前に武器を支給しに来てやったぞ。」


「ぶ、ぶき……？」



そこでわたしははっと思い出す。

そういえばDREAM様と戦う〜みたいな話をしてた気がする。


なら武器をもらえるのは結構ありがたい。


なんだろう、やっぱりナイフとかかな？ でもちょっとこわいなあ。

じゃあ……からっぽのピストルとか！ それなら怖くないし！



ﾒｱ「ほら、これをお前にやる。」



そう言って差し出されたのは黒塗りの重そうな拳銃。

やっぱりね！ これなら殺意を込めてモンスターを打つだけでいいし、ニンゲンにも害はない！


あ、もちろんむやみやたらに人やモンスターに打たないようにして＿＿



ﾒｱ「ちなみに弾入りだ。」


「はあ！？」



とっさに放り投げそうになってしまうのをぐっと堪える。


た、弾入り！？
銃なんて扱ったこと無いけど！？



「な、なんで弾入り！？ 危なくないですか！？」


ﾒｱ「悪いニンゲンに襲われても、弾がなきゃ身を守れないだろ？」


「そ、そんな……わたし、人に襲われるようなことは＿＿」


ﾒｱ「お前の”治癒能力”。狙う輩が出てくると思わないか？」


「！」



た、たしかに……。

すごい、NIGHTMAREさんっていろんなこと考えてるんだな……。ちょっと意地悪だし怖いけど。



「あ、で、でも！ 銃なんてほんとに扱ったことないんですよ！ 今も手震えてるし！」


ﾒｱ「大丈夫大丈夫、そーゆーのは有識者に教わればいいんだよ。」


「……ゆうしきしゃ。」



つ、つまりNIGHTMAREさんはわたしをさらなるやばい世界に送りたいってこと？

銃の扱いを心得ている人が居るような？



「わ、わたし……」


ﾒｱ「ん？」


「わたし、いつDREAM様と再会できるんですかあ！？」



そろそろ寂しいよ！



ﾒｱ「お前は会いたくても、鶏頭はお前のことなんて一ミリも考えてないとおもうぞ。」


「ああひどい！」


ﾒｱ「まあそんなに騒ぐな。派遣先の世界も、お前ならきっと気にいるだろうさ。」



喚くわたしを遮るように、視界が黒に覆われた。

NIGHTMAREさんの拳銃指導・序章→←第一章終了

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す