ノンフィクションな御伽噺 ページ1
夕食を取り、新しいスーツに着替えた私は、緊張した面持ちでグルッペンさんのデスクの扉の前に佇んでいた。思い立ったら吉日。グルッペンさんに、ゾムさんから戦闘訓練を受けたい旨の許可をいただくためだ。
「(今日かけてしまったご迷惑をもう一度ちゃんと謝って、それから)」
「いつまでそこに立ってんねん」
「わ！」
がちゃりと扉が突然開き、呆れたような表情でグルッペンさんが顔を出した。なんだか少しボロボロだ、どうしたのだろう。
「す、すみません！あの、まだお仕事中でしたか」
「昨日さぼってたのトン氏に見つかってな〜。とりあえず入りや」
「失礼します」
グルッペンさんときちんとお話するのは歓迎会以来かもしれない。ドキドキと鳴る心臓を押さえ込み、軽く頭をさげて室内へ足を踏み入れる。
「どうしたん？なにか用事？」
「はい、あの、今日はご迷惑をおかけして本当に申し訳ございませんでした！」
「んー？なんや、それ言いに来たんか」
くく、と軽く笑って、いいからとグルッペンさんがソファを勧めてくれる。
「気にするな。お前のおかげで国民の1人が無用な怪我をせずに済んだ」
「ありがとうございます…。あの、でも、私がもっとしっかり出来ていれば、皆さんのお手をここまで煩わせることはなかったと思うんです」
「？ふむ」
「前々から、ゾムさんに訓練を受けないかと誘われていました。やってみてもいいでしょうか」
「…」
「私、もっと皆さんの、この国のお役に立ちたいです。そのために必要な力をもっと」
「…思ったより早かったな」
「え？」
熱が篭って言葉も思考も絡まっていく私に、ぴしゃりと冷水のように冷静なグルッペンさんの言葉が投げかけられた。思わず、素っ頓狂な声が出てしまう。
「いいだろう。許可する」
「え、あ、ありがとうございます！」
「許可ついでに。せっかく来てくれたんや。この間と今日の褒美をやらないとな」
「褒美…？」
「族からこの城を守った、国民を守った、その褒美や。お前の両親のこと」
「あ…」
どくっ。と。まるで内側から誰かに殴られたみたいに、心臓が跳ねた。私の目の前に座ったグルッペンさんの隻眼が、私を射抜く。
「何から、話すか…。まずはそうやな、俺とお前の父の関係からか」
「おとう、さんの」
「そう、俺とお前の父は同郷やった。同じ国の同じ部署に属する新兵やった。出会いはな」
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千歳(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» 私も好きです‥‥！２回書くくらい！(笑)ありがとうございます。書き溜めていた分が思ったより多くて偉い量になりました！そうなんです‥‥この話ややこしくて長いお話なのです‥‥そういう訳わからない設定を作るのが昔から好きでして‥‥！ (2019年9月25日 22時) (
レス) id: 3a13f3dc2e (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - お酒…そういう話好きなんですよね〜(夢主が酔っちゃう系結構好きッス)あと、更新お疲れ様です！こんなにたくさん更新してて尊敬しましたwそれと、夢主の両親の過去(?)が思っていたより深くてどうやったらこんな思いつくんだと思いましたw (2019年9月24日 2時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» そうなんですね･･･！読んでいただけて光栄です。感想いただけてこちらこそお陰で力になります！ありがとうございます！本当にややこしくいお話なのでお付き合いいただければと思います！こちらこそまたお待ちしております！ (2019年9月22日 0時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - 千歳さん» いえいえ！(o^^o)最近、我々だ！への愛(?)が増してきててそれで調べてたら出てきたので拝見してとても一人で発狂してました((面白さとか込みでwはい！またコメントすると思うのでそのときは、よろしくお願いします！ (2019年9月21日 22時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» 初めまして！こんなに長くややこしい話をここまで読んでくださり、ありがとうございます！嬉しいです･･･！私もそこは書いていて楽しかったですwありがとうございます、まだまだ続くのでよろしくお願い致します。 (2019年9月21日 18時) (レス) id: f6f8db44cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2019年5月19日 4時
