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第64松 ページ14

おそ松目線



激しいバトルから数十分が経過した。



色とりどりのステンドグラスの外はいつの間にか丸い金色に輝く月が顔を出していた。



先ほどまでは太陽が昇っていていた上に朝だったのに…。




「ここの世界の時点はどうなってんだよ…」




「あぁ、ここは時間なんて存在しないから、適当に朝が来て適当に夜がくる感じ」





そうニヤリと笑う一松だが、俺には分かる。



もうそろそろコイツが体力の限界が訪れていることに。



表情で誤魔化しているつもりなのか、先ほどから息切れや動きが鈍くなっているのを感じている。




「お前、そろそろ限界なんじゃねーの?」




「ハッ、兄さんこそ…」




「俺はカリスマだから限界なんてもんは存在しねーよ!」





一松が一瞬動きが止まった。



その瞬間を俺は見逃さず、背中に蹴りを入れる。



一松は背中に激痛が走ったため、その場で崩れ、荒い呼吸を整えている。




「はぁ…はぁ…はぁ…」



「ほら見ろ、お前が俺に勝てる訳ねーだろ?」



「煩い…まだ…まだ…」



「一松、お前はよく頑張ったよ」




立ち上がろうとする一松を抑えるように、俺は一松の頭をポンと撫でた。



ボサボサの髪をクシャクシャと撫でると一松は俺を睨んだ。




「お前のAを想う気持ち、それはよく分かるよ、でもな一松…」




「煩い…!アンタよりも俺の方がAの事を想ってる!」




「…俺は思う、そのやり方が間違ってるだけなんだって」




すると一松は睨む目から普通の目に戻り、俺をキョトンとした目で見つめた。



「お前の気持ちはそのまんまでいいと思うよ、でも伝え方が間違っている」



「伝え方…?」



「今の伝え方だと、Aにはお前の気持ちは永遠に届かないと思う。…お前もAもこれじゃあ幸せになれない」



「し、幸せだよ。Aも僕を愛しているし僕も愛している…!」



「どーせアレだろ、洗脳とか何かして無理矢理Aの考え方をお前のいい方向にねじ曲げたんだろ」



一松の肩が一瞬大きく震えた。…図星か。



「お前も本当はもう分かってんだろ、こんな事をしても無意味な事くらい」



「な、何言ってんの…」



「本物のAの心を射抜いて初めて“愛し合える”って言えると思うんだよね。だからさ…」




「…煩い」





一松は俺の手を振り払い、おもむろに立ち上がった。





「アンタなんかに邪魔されたくない…許さない…ゆるさない…ユルサナイ…!」

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設定タグ:おそ松さん , ヤンデレ , 一松   
作品ジャンル:アニメ
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ふじいろ - 良すぎて涙出てきた完結おめでとう (2021年4月2日 18時) (レス) id: b0ac4dc4e8 (このIDを非表示/違反報告)
天城 美依(プロフ) - レミリアさん» ありがとうございます!! (2018年3月26日 11時) (レス) id: 6a5ae3df9e (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2018年3月26日 11時) (レス) id: 3f2839ebb0 (このIDを非表示/違反報告)
天城 美依(プロフ) - 殺松さん» 教えて下さりありがとうございます!今初めて気がつきました(苦笑)ありがとうございます! (2018年1月29日 18時) (レス) id: 6a5ae3df9e (このIDを非表示/違反報告)
殺松(プロフ) - あの、バットエンドの最後のセリフが「アイテル」になってますよ! (2018年1月29日 16時) (レス) id: 79a3e216e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天城 美依 | 作成日時:2017年12月5日 23時

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