好きな子には/全員(？) ページ29
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「おい、なんだそれは」
私のスカートを指差しながらからは不満そうに眉をつり上げる。
「なによ、スカートはいてるだけじゃない」
「短すぎる。俺以外の男に見せる気か。」
嫉妬の炎を纏った瞳でじっと見つめられる。私も、この人もお互い首ったけな証拠。
「貴方を嫉妬させるためにはいてるの。」
余裕たっぷりな笑みをみせる。この人よりも私は大人だと主張する。すると、口をへの字に曲げて子供みたいな表情をつくる。
「その笑み、崩させてやる。」
私の腕をぐっと引っ張って口づけをする。
なんて、強引な人。
好きなやつは、独占したいやろ。
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「わ！」
後ろの人に靴の後ろを踏まれて、脱げそうになる。
「なにするの！」
後ろを振り返れば口許を歪めながらケラケラと笑っている男がいた。
「ええやん、なかなかおもろかったわ。」
「意味わかんないし、性格わるすぎ。」
いつといつも私が不快になるようなことばかりしてくる彼の心は私には到底理解できない。
「は？うっさいねん。話しかけんな。」
「は？？サイテー。ゾムなんてだいっきらーい。」
こんな意地悪な男を好きになってしまった私自身も嫌いだ。
「え、ちょ。」
「さよならー。」
全速力で私は家まで走った。この恋は叶いそうな気がしない。彼は私にばっかりつっかかってきて。なのに他の女の子にはもの凄く優しくしている。私は彼に嫌われるような事をしたのだろうか。
「……ゾムのばーか。」
「誰が馬鹿やねん。」
「え！？」
心臓が止まるかとおもった。
好きな子には意地悪したくなるやろ？
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作者名：大佐 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年2月5日 15時
