天使に感謝/grpn ページ3
貴「トントン〜。」
情けない声で、レストランにたった今ついたトントンを呼ぶ。
「おぉ、ここにおったんか。」
少し目を見開いてトントンは驚くようすを見せる。今の私はテーブルに顔をつけて、だらしないという言葉がピッタリな格好であった。
「で、今日は何を相談してくんねん。」
呆れ半分同情半分といった表情で私の向かい側に腰をかけた。
社畜である彼にとって休みは貴重なはずなのに、私の相談を受けるために時間をつくってくれる彼はまさに天使だ。
貴「グルちゃんが何もしてくれないよ〜。」
「なんかされたいんかっ！」
相変わらずの鋭い突っ込みをしている。
相談というのは何を隠そうグルちゃんのことで。付き合いはじめて一ヶ月たっているのにも関わらずキスひとつどころか手も繋いでいないという。
「まぁ、グルさんは大事なんやろなぁ……Aのこと。」
確かに欲しいものはないかとかきいてくれたり、頭を撫でたりしてくれる。
貴「って、それただのおじさんじゃん！お父さんみたいなものじゃん！」
子供を可愛がるのと大差ないように感じる。
私はもっと恋人らしいことがしたい。我が儘でも。
「そうやなぁ。……ないこともないねんけど。」
貴「え！？……なにか考えでもあるの！？」
あまりしたくはない感じを出しているトントンには悪いが、どんな手を使ってでも私はグルちゃんとイチャイチャしたいのだ。
「グルさんを呼べばええんやでニッコリ。」
ニッコリまでつけるとは余程成功する自信でもあるのだろうか。それとも、適当か。
まぁ、ここはトントンにかけるしかないのだけれど。
貴「呼ぶってどんな風に？」
「まかせとき。」
ニヤリと堕天したような笑みを浮かべ、彼は携帯を取り出した。
「あ、そうや。グルさんに電話かけたときそっちにも電話渡すから、トントン止めて！みたいなこと言ってや。」
貴「ん？……わかった。」
それを言うだけでグルちゃんは何か私の望む行動を起こすのだろうか。失敗してしまえばグルちゃんに怒られるという不安が拭えず、トントンの携帯を見つめる。
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ
ーー
次にいきます。
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作者名：大佐 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年2月5日 15時
