気づかぬ内に。/ut ページ2
「……なんでもええの?」
確かめるように聞き返される。どことなく渋っているような顔つきで言っている。何か食べたいものでもあるのだろうか。
貴「はい。」
キキッと急に車が止まった。エンジンをとめて、鬱さんは車の前を通り助手席の扉に手をかける。
鬱さんを目で追っているときふと違和感を覚えた。
周りはどうみても住宅街で店があるようには見えなかった。すっかり暗くなった視界の中私は困惑した。
ガチャリと扉が開く。
貴「あの、」
私の言葉を待たず、鬱さんはシートベルトを外し私の腕を優しく引っ張って車の外に出す。直ぐに見えたのは小綺麗なアパート。
どこだろうと考える暇もなく、扉が閉められた車に体を押される。
固い金属とぶつかり、背中に少しの痛みが走る。少し上を見ると鬱さんと目がかち合った。
不敵な笑みを浮かべている。
彼は私の耳元に口を寄せる。
「あんなぁ……Aちゃん。僕が食べたいものって……Aちゃんやねん。」
貴「え……んっ!…………ぁん……。」
どういう意味かととう前に鬱さんは私の唇に自分のそれを重ねた。
いきなりのことに驚いたがそれを嫌がってない自分に驚いた。
目を細めて、私を見つめる鬱さんに私は抗うことなどできずキスはより深く、甘いものに変わっていく。
貴「…………あっ……ゃ……。」
周りに人がいないかなんて気にする余裕もなくて、身体に力が入らなくなってきたとき、鬱さんは唇を離した。
どこか、物足りない気がする。
「このままここでやるの嫌やろ?僕の家いこか?」
目の前のアパートに指差して口角をあげる。
確かにこの状況を誰かに見られるのは恥ずかしい。ゆっくりと頷くと腰に手を回され、鬱さんに体重を預ける。
無言で鬱さんの部屋に入れられる。
薄く匂ってくる煙草の匂いに落ち着きを取り戻す。
優しくベッドに倒され私の上に跨がり再び唇を重ねられる。
片手で私の服のボタンを外し、平均的な大きさのそれを優しく揉みだす。
貴「あっ…………や、やめ……ん…………。」
「そう言ってるけど、アンタの身体は素直やで…………僕、Aちゃんのこともっと知りたいわぁ。」
目が覚めると家の前だった。
昨日の行為を私は思い出して、身体がそれを求め出す。逆らえない。
貴「……あ、あの……私の家で……その……。」
「……ええで。」
彼はにっこりと笑った。
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作者名:大佐 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年2月5日 15時