【QK】マルティン・べハイムの地球儀 (ページ7)

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玦状耳飾り・sgi ページ7

｢…私のピアスの数？｣

｢はい！俺と山本さんと伊沢さんでいくつか当てるゲームしてます！｣

｢山本は7、こうちゃんは6、俺は9に賭けてるんですよ｣

｢ちなみに買ったらアイスが貰えます。ダッツ！｣

｢いやあ、流石に9は無いでしょ｣

｢いやいや、見ろよあの耳。かんっぜんにピアス開け慣れてるじゃんかよ｣

｢僕も9は多すぎると思うなあ｣

おバカさん3人組に絡まれてるAは明らかに困った顔をしている。
ホント、一人一人の知能指数は高いのに、集まった瞬間ただのノリと勢いで進むようになるんだか。そんな一文殊がスポンジになっちまう様なこの会社は居心地が良いとは思うのだけど。

伊沢の言った通り、Aはピアスを開け慣れている。左に3、右に2。色の三原色プラス白黒の綺麗な石はその耳によく似合っている。口を開けばその舌の上にも銀色のデザインが光っているから、6や7を選んだこうちゃんと山本はいい線いってるんじゃないかと思う。まあ実際は違うけど。
9は多すぎ？まだまだ序の口。だってAの上半身だけで2桁いくんだぜ？

彼氏特権で見られる二の腕や背中や太もものピアスは今見えているものよりも遥かにゴツイし見ていて痛そうな程だけど、そこをそっと撫でればホロリと歪むAの顔はメチャクチャハイパー可愛いし。コイツら、Aのことなーんも分かってない。まあ分かられててもやだけど。俺の彼女だし。

｢結局いくつなんですか？｣

｢んー、腰とかの見えない部分にもあるから…須貝、いくつだっけ？｣

｢…へ？｣

助けを求めてこっちを振り向いたA。

あれ、唐突な形勢逆転。さっきまでは伊沢達に心の中でマウントを取りつつも何食わぬ顔を装って仕事の出来る男を演じてたはずなんだけど。
なんで俺に話を振った？いや振った理由は分かる。大事な彼女のピアスの数なんぞ一瞬で答えられるし。そもそも俺は世界に一人しかいない栄えあるAの彼氏だし一通りのことは済ませているしなんなら結婚も考えてるし…いやそれは今は関係なくて。三人はそんな気まずそうな顔をしないで？周りの人も興味深そうな顔をしてこっちを向かんで？頼むから仕事に戻ってくれ！