君の王子様になりたい！【ツイステ】 (ページ2)

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意地悪な王子様(エース) ページ2

「うわぁ、すげー並んでんじゃん！」

分かりやすく嫌な顔で、そう訴える彼は

2時間待ちの看板を見て不機嫌そうだ。

『まぁ人気アトラクションだし、しょーがないって』

今日は片思い中のエースとデート。

…だけど

全っ然いい雰囲気にならない！

今までのアトラクションはどれも面白かったし、

会話も弾んで楽しかったけどさ。

もっと、可愛いって思ってもらえるような

ドキドキしてもらえるイベントがあってもいいのでは！…と。

「並ぶの面倒だし、歩くの疲れたしなんか食わね？」

『あ、じゃあ私チュロス！』

「はいはい、俺はどうすっかな〜」

エースは、私のこと友達としか思ってないんだろうな。

「何ぼーっとしてんの。ほらこっち！」

ぐいっ

強引に腕をひかれた。

『っ…痛いよエース！女の子を乱暴に扱わないでよね』

「はぁ？ぼーっとしてたのそっちだろ！」

『え、でも！だからって痛くするのは酷いよ！』

「そんな強くしてねぇだろ！！」

ビクッ

『…なんで、そんなに怒るの』

「あ、いや違……あーもう！なんなんだよ！」

喧嘩…しちゃった。

謝らなきゃ。

なんで、こんなことに…

なんで上手くいかないの。

な、なにか言わなきゃ…

えーと…

『あのね…私、エースとデートするの楽しみにしてたの！』

「は？」

『今日、ずっと楽しかったけど

こういう友達っぽいのより

私はエースにドキドキしてもらいたいの！！』

…って

何言ってるの私ーーー！！！

『え、あ、違うの！今のは…』

「A」

『ひゃい！』

「…楽しかったの？」

『え？う、うん。楽しかった』

「はぁー…なんだよ…楽しかったのかよ。なんだよー。

俺は、今日なんかお前ずっとぼーっとしてて

心ここに在らずみたいな？そんな感じがして、もしかして

俺とのデート…つまんねぇのかなって、焦って…」

『そんなこと思ってない！ずっとエースのこと考えてたの』

「俺のこと？」

あれ？私また変なこと言った？

『っ…！う、うそ！嘘です！』

「嘘じゃねーだろ。なぁ？A、俺のこと…

好きなの？」

『はっ！？』

「好きなの？って聞いてんの」

ふわっと、今度は優しく手を掴まれる。

『ずるい…』

「ずるくねぇよ。お前が勝手に墓穴掘ったんだろ？」

う…ぐうの音も出ない。

『……うん』

「うん、じゃ分からない」

『っ…す、き…』

「俺も」

そう言って顔を近づけてくる彼は

意地悪でずるくて子どもっぽい所もあるけど

たまに素直な、私の王子様！