罠 ページ21
お見合いが終わってお開きになった
結果、あまねはOKしたらしい
結婚はめでたいんだろうけど友達同士は少し複雑な所もあるな・・・
耀「あ、そうだAは今夜から神籬さんの護衛で明日屋敷に戻って来てね」
『え?』
耀「話は向こうにも通してあるから今日は此処で泊まってね」
『え?でも今日は耀哉の護衛で来ていて・・・』
耀「それなら嗔寿郎に頼んだから大丈夫だよ」
ポカーンとしている私を放おって耀哉は煉獄殿と馬車で帰った
父「あの、客間にご案内します」
『すみません・・・』
父「いえ、娘を護衛していただくので当然です」
此処は藤の花が植えてあるから鬼が近寄ることはないと思うけどな
『かたじけない』
夜も更けて鬼が活動する時間になってきた
一応護衛として居るので寝るつもりはない
刀を抱えて壁にもたれ掛かって寝落ちないように素数を数える
1万桁まで数えた所で屋根上から軋む音が聞こえた
鬼か?
気配と足音を消して屋根上に飛び乗る
昔は木を経由しないと乗れなかったが・・・もう6年前だからな
刀を構えて何時でも飛び出せるように鯉口を切る
だが居たのは鬼ではなくあまねだった
『どうかなされましたか細君』
刀を収めるとパチンと音が鳴った
あ「!少し眠れなかったので」
『あまり夜風に当たりますと風邪をひいてしまいますよ』
あ「そうですね」
あ「・・・あの、私はあの方の家内としてやっていけますかね?」
『お館様はお優しい方です優しすぎて自身を傷つけてしまう
でも、あなたならあの方に寄り添って支えられますよ貴方もお優しくて強い方ですから』
そう言うとあまねは泣きそうな顔で手を伸ばしてきた
狐の面に手を掛けると若干震えた手で面を外した
あ「A!・・・」
『立派になって私ビックリだよ』
あ「ッ!」
『おっと』
あまねが飛び付いてきた
お見合いをしている時は大人っぽく見えたけどまだまだ子供だな
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作者名:樹羅 | 作成日時:2022年12月22日 16時