〇 ページ20
「おい、死柄木」
Aを抱えたまま、荼毘と死柄木がワープの先に降り立ったのは拠点としているアジトではなく
自分達を支援している氏子達磨の研究所であった
「荼毘、寄越せ」
いつの間にか、腕の中の彼女の意識は失われていて
その手は弱々しく荼毘の服を掴んでいた
束の間、Aを死柄木に抱き取られる
横顔に見えた死柄木の悦々とした表情が、荼毘の心臓をざわついていく
「黒霧、荼毘帰せ」
ふざけんな、抗議の声も届かずにあっという間に黒霧に飲まれていった
荼毘の姿も消え、死柄木の表情は更に歪んでいく
「なぁ、A」
愛でるように、対象の頬を指でなぞる
Aの個性が、漸く覚醒した
彼女の力は怒りの感情と強く直結している
Aを傍に置き、その動向を観察していく中で
彼女はなかなか感情を表さなかったが
レディナガンを送り込んだのはやはり正解だったな
ホークスとエンデヴァーのチームアップ任務もこちらの思惑通り。これでヒーロー共は躍起になってAを取り戻そうとするだろうが
もう遅い
お前はもう、あちら側には戻れないんだよ
「準備はいいかの、死柄木弔」
「あぁ、頼んだよドクター」
A、俺はお前のことを愛しているよ
殺したくて仕方の無いお前をここまで生かしてきたのは
俺の手で、お前を壊す為ーー
「可愛いなぁA」
眠るAにそっと口付けを落とす
目覚めることの無い彼女、愛しい愛しい
これから俺だけのものになるA
死柄木はそのままAをベッドの上に乗せ
氏子が口元に酸素マスクをつける
逃げ出しても、足掻いても、
Aがどれだけ離れていっても
彼女は最終的にこちら側に戻されていく
氏子は数年前を思い出す、Aを失敗作であり最高傑作にしたあの日々を
あの時以上の優越さはなかったのだ
どんな脳無を製造しようとも、個性を復元しようとも
A以上のものは創り出せなかった
そして氏子が長年待ち伸びていた
Aの個性に手をかけることを
彼女の個性が覚醒し、尚且つ身体が弱っている今が
氏子が熟させた夢なのであった
「可愛そうにのお」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 465人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおむすび(プロフ) - 待ってました！本当に大好きな作品でまた読めるのが嬉しいです！ (6月30日 2時) (
レス) @page32 id: 2152d546a1 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - ウワァァン続きは何処へえええ、、のタイプな作品すぎます、、この作品を生み出してくれてありがとう (2023年1月22日 1時) (レス) @page29 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
カキフライ - しっかりした終わりの証明を楽しみにしています…！ (2023年1月6日 20時) (レス) @page29 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 最高です！！！！思わずうるっと来てしまいました！更新してくれると嬉しいです！！ (2022年10月28日 22時) (レス) @page29 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - すきィィィィィイイイイイイ (2022年10月20日 6時) (レス) @page29 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リオハ | 作成日時：2021年9月24日 1時
