愛傷−それは愛した証− Daiki.A

§Ten ページ10

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薮「違うだろ、それは伊野尾が……」

慧「何が違うの、寂しくて俺に電話してきたくせにー。」

光「薮、素直になりなよ。」

雄「可愛いとこあるんだね。」

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くだらない会話をして、お酒を飲む。

ふとAの方を見ると、ただテーブルに置いたケータイを見つめていた。

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大「誰かからの連絡待ってるの?」

あ「いやっ………そういうわけじゃないけど……」

大「あ、彼氏?」

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彼氏、そのワードを出した瞬間

Aは一瞬だけど顔をひきつらせた。

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あ「やっぱり、私帰らないと……」

大「は?今、外大雨で……」

あ「じゃぁ、大貴の傘かして。ちゃんと返しに行くから!」

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いきなり立ち上がり、部屋を出ようとするA。

何かが変だった。

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大「A、何かあったの?」

あ「何も……何もない!ただ、翼を一人にはできないの……」

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俺が渡そうとした傘を強引に掴むと、

Aはそのまま大雨の中へと飛び込んでいった。

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薮「あの子、帰っちゃったの?」

大「うん……わけわからないよ。」

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みんながいる個室に戻り、

また酒を口にする。

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大「翼……か。」

雄「誰、それ?」

大「ん……Aの彼氏の名前だと思う。」

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慧「大ちゃん、彼氏持ち狙ってるの?」

大「違うって。本当ただの友達。」

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