Time goes by ４

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気持ちが揺さぶられて、苦しい。

私の感情、こんなにぐちゃぐちゃにするのは、
いつでも神山くんだけだ。


「友達って言うたんはさ。
言い訳いうか、口実やから。
普通、分かるやん」


それって、私を今も好きってこと？

そんなわけないのに。


神山くんになら、
騙されてもいいやって思ってしまう。


「友達って言われたら、
友達なんだって思っちゃうよ。
神山くん、有名人なんだし。
正直、友達なのも、不思議なぐらいなのに」


「ちょ、まじで。
全然伝わってないやん。
勝手に盛り上がってる思てたん、俺だけ？」


「え・・・？」


聞き返した私に、
神山くん、ため息ついた。


「そら、東京と神戸で離れてたし、
仕事忙しかったし、
事務所の目もあって。
ずっと会われへんかったけどさ。
個展の話、俺にだけ相談してくれたり、
朝、起こしてくれるようになったあたりから。
もしかして俺ら、前に戻れるかもって、
期待し始めてもうててんけど。
俺の勘違いやった？」


神山くん、そう言ってくるくせに、
多分、私の気持ちなんか、見透かしてる。


だって、私を見つめてる瞳は、余裕があって。

私だけが、こんなに胸が締め付けられてる。


「・・・ちが、い、じゃない」


はっきり言いたいのに、
上手く声が出せない。


「ん？」


優しく目を細めた神山くんが、
私の耳に顔を寄せるから。
頬が熱くなる。


ちゃんと伝えたい。

ずっとずっと胸に閉じ込めてきた想い。


「あんな風に突然終わりになって、
途切れちゃって。
だから、ずっと、
神山くんのこと、忘れられなくて、
もう一度会えた時は奇跡だと思った。
もう忘れたって自分に言い聞かせてたのに。
なのに。
何回出会ってもまた、
神山くんで胸がいっぱいになるの。
私は・・・」

　
もう息が出来なくなりそうな私の手、
神山くんが不意に掴んだ。

びっくりして、続きも、消えちゃった。


「俺に先言わせて？」


「神山くん？」


「ここから、もう一回、やり直したい。
・・・いつまで経ってもAが好きや。
忘れられへん。
何回出会ってもさ、
Aのこと、好きになってまうねん。
決められてたみたいに」


揺れる、神山くんの瞳に吸い込まれてく。

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