Time goes by ４

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「私も。
私もだよ。
何回出会っても、また、神山くんに恋するの」


「ちょ。そんな可愛いされたら、ヤバい」


照れてる神山くんのが可愛いのに。

なんて思ってたら、
不意に、きつく抱きしめられた。

もうこれだけで、壊れちゃいそうなのに。


私の頭、自分の肩に押し付けるようにして。

顔、見えないまんまで。


「もう俺の彼女な？」


大好きな透き通るような声で、囁かれた。


「もう絶対に離さへんから」


「約束ね？」


二度と離れるのは嫌だ。

あんな思い、したくない。


「うん、約束な？」


甘いやりとりに、
急に恥ずかしくなって、
目を逸らした瞬間に、
頭の後ろに手が回って。

不意打ちにキスされた。


ふわって触れて、

それから、もう一度長く。


キスなんて久しぶり過ぎて、
やり方なんか忘れてて。


「可愛い。
緊張してんの？」


ふっと笑われてしまった。

神山くんは、すごく慣れた感じで、
私だけがドキドキさせられてる。


離れてた間も、
神山くんは、
きっと彼女いたんだろうなって、
ちょっと嫉妬してしまった・・・


「からかわないで。
緊張するに決まってるよ。
キスなんてすっごく久しぶりなのにっ」


「いつぶりなん？
うわ。やっぱええわ。
傷付きたないし」


「東京の、神山くんの部屋ぶり」


「えっ、ほんまに？」


神山くんが黙り込むから、
余計に恥ずかしくなってきた。


こんなに長く離れてたのに、
誰とも付き合ってないなんて、

モテない女みたいだ。


まあ事実、

出会いもなければ、
モテてもないんだけど。


神山くん、チラッと私を見て。


「ほんまに俺なんかでええん？
シゲやなくて・・・」


急に不安そうに聞くんだ。


「どうしたの？
急に自信なさげなんだけど・・・」


「最初から自信なんかないって。
過去の事もあるし。
俺、Aには軽蔑されてるって思てたから」


中間社長さんとの事かな。

あの時は驚き過ぎて、

神山くんの言ってることが、

すぐには理解出来なかった。


頭では分かってるんだけど、
気持ち的に受け入れられなくて。


でも時が経つにつれて。


あの頃の、

神山くんの絶望も、

そうでもしないと生きられなかった気持ちも、


痛いほど、分かった。

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