１０１、盗られちゃった ページ4
雨は、静かな雨だったけれど、一時間という時間は全身を濡らすには充分な時間だった。
「Aちゃん！」
呼ばれて顔を上げると、大ちゃんが走って来てくれる姿が見える。
来てくれた。
来て、くれた。
「雨降ってんのに！」
「・・・知ってる」
「ずっとここいたの？とりあえずどっかさ、」
「大ちゃん。もう、どうしたらいいか分かんなくて・・・ごめん」
「いいから、とりあえず、」
そう言って肘をに手を入れてグイッと引っ張られたが、動けない。
「Aちゃん。こんな濡れてんだからとりあえずさ、」
「大ちゃん。・・・あのパン、・・・盗られちゃった」
項垂れたまま、そう口にした。
「え？」
「盗られちゃったよ」
口に出して言ったら、涙も一緒に出て来た。
「盗られた？」
「大ちゃんが絵、描いてくれたのに。あれは、特別だったのに・・・」
トクベツだった。
初めて嬉しいって思った。
いつか、あのパンと一緒にお店を開きたかった。
それを、全部壊された。
私の夢を、壊された。
「聞くから。場所変えよう」
「大ちゃん・・・、もう、どうしよう」
「行くよ」
雰囲気は柔らかいままだけど、いつもより強い言い方で腕をグイッと引っ張られ、今度は立ち上がるしかなかった。
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とも(プロフ) - 素直だけど解りづらい大ちゃんにキュンキュンしました(*^艸^*) (2017年11月11日 23時) (
レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
あーぴょん(プロフ) - キュンキュンしました！続編待ってます！ (2014年12月26日 3時) (レス) id: 0a4763f28c (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - ちへたん。智くん久々に読んだよ。この続きが見たいな〜。更新してほしいです。待ってます！ (2014年6月18日 2時) (レス) id: 8f6a960130 (このIDを非表示/違反報告)
けんらん(プロフ) - あ〜(>_<)続きが読みたいです〜！！やっと心が通じ合ったのに．．．．(>_<)更新、待っています！ (2013年3月5日 21時) (携帯から) (レス) id: c30516c0e4 (このIDを非表示/違反報告)
★梨子☆(プロフ) - 面白いデス(*^^*)♪ (2013年2月12日 17時) (レス) id: 839622f5bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちへ
| 作成日時：2012年10月25日 13時
