ファーストラブ (ページ50)

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50「私の事情」ページ50

(まゆみ)「Aちゃん…、

明日から本当に一人で大丈夫？」

A「うん、大丈夫です！

それよりもっ、兄のこと、よろしくお願いします。」

………

…

兄の婚約者のまゆみさん。

明日、大阪へ引っ越しをしてから籍を入れ、

晴れて兄の奥さんになる。

そんな慌ただしい前日にも関わらず、私を心配して家に来てくれた。

…

(まゆみ)「耳の調子はどう？」

A「うん、相変わらずだけど、、、

でもっ、元気だよ！」

…

私は数年前…、

右耳に突発性難聴を抱え、

耳鳴りや眩暈、嘔吐に苦しんでいた。

原因は、明らかなる事があり…、

精神的に大きな負荷が掛かった事によるもの。

発症後1週間以内に適切な治療を受ける事で約40%の人は完治し、

50%の人には何らかの改善が見られるそうだが、

当時の私は…バタバタで、、

それどころじゃなかった…。

自分のことを後手に後手にとするうちに…、

治療開始が遅れ、

完治は難しくなり、

今では右耳の聴力がほとんど無い難聴と化し、

補聴器を付けるまでになった。

…

兄は、そんな私を心配し…、

また、兄なりに責任も感じているようで、、

まゆみさんとの結婚は数年前に既に決まっていたのに、

先延ばし…先延ばしへとしてきた。

だけど、この度、大阪赴任が決まり、

これを機に結婚へと…／／

／／…

私は、この事をすごく嬉しく思ってる／／…

兄が、数年前の出来事から…、

そして、感じなくてもいい責任という荷から解き放たれる…、そう思って／／

…

(まゆみ)「今は、かわいい補聴器があるのねっ。

ピアスと連結できるんだ？！」

始めは補聴器にカナリ抵抗があって装着を拒否した事もあったけど、ピアスと連結できる補聴器ですごく可愛くて今ではお気に入り／／

昔ながらの補聴器とは違い、まるでそうじゃないみたいなデザインで／／…

A「これがあるから一人で何でもできちゃうんだー！

もう心配はいらないからねっ！」

(まゆみ)「ふふふ(笑)」

そんな私を見て、笑い出すまゆみさん。

(まゆみ)「Aちゃん、何かイイ事あった？」

A「えっ？？」

(まゆみ)「いい顔するな〜って思ってねっ。」

そう言うと私の顔を覗き込んでくる。

…、、

ー読者様へー

2巻に移行致します。
次巻でも、たくさんの方にお逢いできます事を楽しみにしています。
では、移行でーす！！