貴方のために (ページ3)

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次の日私は、またあの部屋に行った。
一晩中あの子のことを考えてたら、お腹すかしているのではと思ったから。

部屋につくと昨日と同じように、部屋の壁に寄りかかって座ってた。

「おなかすいてるでしょ？これ！」

私は持ってきたパンをあげた。

「誰？…」

どうしてそんなこと聞くのかと思ったが、今となっては、当たり前だ。
名前も知らない女の子から、パンを渡されても困るだろう。

「私は、A・ブラック。あなたは？」

「…リヴァイ。…ただのリヴァイ。」

「リヴァイっていうのね。よろしくね！これから私たちは友達だね！」

その時の私には友達というものがあるのは知ってたけど、友達と呼べる人がいなかったから。
そんなことを言ったんだと思う。

「友達？」

「友達を知らないの？」

「…」

「友達っていうのはね。一緒にお話しして、一緒にご飯を食べて、一緒に遊ぶの！」

「君は、友達？」

「うん」

「！」

その時のリヴァイの嬉しそうな顔を今でも鮮明に覚えてる。

「はいこれ」

私は手に持ってたパンを渡した。
リヴァイは今度はすんなり受け取ってくれた。

「…はい。」

「！ありがとう！」

なんとリヴァイがパンを半分分けてくれたのだ。
…今でもしてくれるかな…

「でもなんで？」

「友達は、一緒にご飯を食べるから…」

「！そうだね！」

その日から、リヴァイは私にとってかけがえのない人になった。