元彼と再会した。【松野千冬】【佐野万次郎】

40話 ページ43

足が、自分のものじゃないみたいにはやく動く。

…速く、速く、速く！

もっともっと…、






────────────嫌な予感しかしない。




いつだって、“いつも通り”がなくなる時は、


嫌な予感がした。


血のハロウィンもそう。…万次郎に、振られた時もそう。



『…千冬、絶対、助けるから…っ！！』




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


稀咲side


…黒川 A。


稀咲「…なかなかいい駒じゃねぇか」


顔もいい。喧嘩も強い。…なにより、東卍の奴らと仲が良い。

壱番隊副隊長、松野千冬の彼女であり、マイキーの元カノ。

マイキーに、執着されている。


稀咲「…血のハロウィンで場地を殺すのはこいつのせいで失敗した。




────────リベンジだ、黒川A」


こいつを、上手く使えば、マイキーの隣に並べる。
世界一の不良になれる。

…Aは生かしておいてもいいか。

喧嘩強いし、マイキーと俺のいい助手になれそうだ。

俺は自然と上がる口角に気づいた。


…どうやっておびき寄せようか？


こいつは勘が聞く。下手なことをやったらすぐバレる。




稀咲「────────────松野千冬だ」



松野千冬達は何かを計画していた。

…チームを組んで、こいつを人質にすれば…！！



稀咲「…半間ァ、いいこと思いついた」


半間「何だよ稀咲ィ、…あ？なんだこの女♡」


稀咲「…新しい駒だ。」


俺がそう伝えると、半間は気味が悪いほど口角を上げて笑った。



半間「…可愛いじゃねーか♡」








…準備は整った。


俺は入手した電話番号を押して、スマホを耳に当てる。




「…もしもし」



「稀咲、鉄太です」









歯車が、狂い始めた。

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