No.42 ページ11
高塚side
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お昼時、学校内のカフェに四人で立ち寄った。総二郎が手を握ってくれる。
『学校の中なら大丈夫なのに』
総「念の為ってやつ」
『ふふ、ありがとう』
僕と総二郎の様子を見て周りの生徒は口々に呟く
「ねぇ、高塚様って本当は、女性なのかしら」
「静香さんのパーティーでドレス着ていたのよ」
「ちょっと待ってよ、高塚は男性よ?」
「そうよ、新聞の記事にだってなったんだから」
ちらほら聞こえてくる噂話。僕は大勢に嘘をついてるようなものだから罪悪感が生まれて仕方ない。
でもそんな僕の話題以上に、何かあるみたいだ。
司「よぉ」
きっと、相手はつくしだろう。でも生徒たちが揃いも揃ってここに居るんだ。何かきっとあったのだろう、後でつくしにでも探り入れてみようなんて思っていた、その時。
美「おい司!この記事マジなの!?」
『……総二郎、記事って?』
総「牧野つくしと司の交際発覚記事だよ」
『えっ』
僕はぐるりと振り返って、つくしと司がいる方を見る。
つ「いや、それは……」
司「まぁな、マジだよ!!!」
つ「ええっ!!!!?」
総「おいおい、司もついに大人の仲間入りか!」
司「まぁな」
司のこの声のトーンからしてだいぶ浮かれてるのが分かった。あと、つくしが怒ってる事も。
つ「ちょっと!!!」
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道明寺家 ...
美「牧野つくしの事、マジなのかよ司」
司「……俺はこっちか」
司と総二郎はトランプゲームに夢中、あきらはダーツに夢中。僕はというと総二郎が作ったアップルティーを司の向かい側に座って飲む。
総「俺は大賛成だね」
美「でも俺らはさ、最後は親が決めた相手と一緒にならなきゃいけねぇんだぞ」
司「……あれ、こっちじゃねぇか」
美「本気になればなるほど、最後に傷つくのは牧野の方だぞ」
あきらは真ん中に矢を指した。僕はカップを机に置いて拍手を送る
司「俺は傷つけない」
美「……え」
司「俺は牧野を傷つけるような事は、しない」
『お〜〜、司かっこいい〜』
次は司に拍手を送った
司「おうおう、もっとなめろ!!!」
『……ん?』
いや、褒めろでしょ
美「おいおいおい、甘いよ司!」
総「いやいや、流石司。"初めて"の相手を大切にしよう!男の鏡だ!!!」
『………総二郎?』
総「どう?童貞卒業した気分は?」
司「してねぇから」
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作者名:もりのくまさん | 作成日時:2022年1月6日 9時