【まふまふ】さよならユーフォリア

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会社に出勤し、書類を集めて提出する。

普段からやっている仕事のはずなのに、倦怠感を感じるのはなぜだろうか。

昨日、休んでしまったことについて謝罪すれば、上司は快く許してくれた。だから、仕事量はふやすからね？ と笑顔の圧をかけられたのは気にしないでおこうと思う。



「今月の予算案はこれだから、新企画に回せる予算はこれくらいかぁ」



パソコンに向き合って、ひたすら数列を入力していく。

忙しければ、余計なことを思い出す暇なんてない。いつもは少しばかり恨んでしまう仕事量に、今回ばかりは感謝をしたくなった。



「Aさん、そろそろごはん食べに行こう？」

「あ、先輩」



声をかけてくれたのは、二つほど年上の先輩。私と同じ事務の仕事をしている。

美人で性格も良ければ仕事もできる。才色兼備とはこんな人のことを言うのだろう。



「もうそんな時間でしたか？」

「うん、時計見てみなって。もうお昼休憩入っているよ。周りに人も居ないし」



今日はやけに頑張っていたね、なんて言われる。

そこまで必死になっていたっけ。仕事量が多いからそう思われたのかな。



「何はともあれ、ごはん食べに行きましょうか」

「今日の日替わりメニューはカレーうどんだって。それにする？」

「いえ、私はフォカッチャサンドでいいです」



なら、私もフォカッチャサンドにしようかな、だなんて声をかけてくれる先輩は、どこまでも優しい。



「ほら、早く行かないと休憩時間が減っちゃう。どうせ仕事量はおんなじなんだから、休憩できるときにしといた方がいいよ？」



そう言って、先輩は印刷機の電源を落とした。

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