スニッチとキスの味 ページ26
夜が明けて、晴れ渡った寒い朝がきた。11時には既に、学校中の生徒教員がクィディッチ競技場の観客席に詰めかけていた。
Aはスリザリンの生徒たちが集まる観客席の後ろの端の方にいた。本当は最前列を陣取りたかったし、なんならグリフィンドールの生徒が集まる席で見たかった。しかし、あの真紅色の中に1人ポツンと翡翠色の体で混ざれるほど、Aの肝は座っていなかった。先日のような平手打ちを何度も喰らうのはごめんだ。
もんもんと考えていると、急に鼓膜が震えた。あまりの衝撃に少しよろめき、耳を抑える。大歓声だ。選手たちが入場したのだ。
Aは眩しそうに顔を顰めるフレッドを見つける。
「フレッドー！！！！！眩しそうな顔も素敵よー！！！！愛してるー！！！！！！！！」
Aは周りをスリザリンの生徒に囲まれていることも忘れて、大歓声の波に任せて大きな声で愛を叫ぶ。
チラチラと怪訝な目で見られていることも無視して、ただフレッドだけに集中していた。グリフィンドールの席から先日の女子生徒の恨めしい視線にも、もちろん気づかない。
______はぁ、かっこいい....Aはうっとりと熱のこもった声をこぼしながら、両手で頬を挟む。
Aの声は大歓声に紛れて、フレッドには届いていないようだったが、観客席で何かを探しているようなフレッドの仕草に、Aはおこがましくも、自分を探してくれているんじゃないかと思ってしまった。
フーチ審判の銀の笛が高らかに鳴る。
十五本の箒が一斉に空へ舞い上がり______試合開始だ。
Aは前のめりになって試合を観る。前の席の生徒の髪が首に触れてくすぐったいのも、足を踏まれているのも気づかず、ただただ燃えるような赤毛を探す。こんなにも自分の視力の悪さを恨んだことは無かった。以前よりずっと綺麗になった眼鏡でも、心もとなかった。
「ブラッジャーに阻まれました___！」
リーの実況が響く。スリザリンを応援しなければならないのに、グリフィンドールがスリザリンに邪魔されると心底落胆する。好きな人のパワーってすごい。自分の寮さえ蔑ろにしてしまうのだから。
その時、大きな物体が大きな力で打ち返させる音が響いた。
そこに、Aは赤を見た。
「_____ウィーズリーのどちらかが狙い撃ちをかけました！」
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とくめい(プロフ) - 見つけて一気に読んじゃいました...好きです...！更新待ってます！！ (12月1日 15時) (
レス) @page32 id: e5f130972d (このIDを非表示/違反報告)
瑚春(プロフ) - うわーん横取られたいです… (10月10日 19時) (レス) @page32 id: a458b63a33 (このIDを非表示/違反報告)
moon - めっっちゃ面白いです！最高です！更新待ってます！ (10月7日 8時) (レス) id: c2609fd96d (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ☆宙☆さん» わ〜ありがとうございます〜！そう言っていただけて嬉しいです...！更新頑張りますね〜！ (2023年3月9日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
☆宙☆(プロフ) - はじめまして！コメント失礼します！毎日楽しみに更新を待つほど大好きなお話です！これからも頑張ってください！応援してます！(^^) (2023年3月9日 20時) (レス) id: 00d954112a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年3月5日 11時
