スニッチとキスの味 ページ25
「ねぇA、フレッドとキスしたって本当？」
突然の質問にAの喉がヒュッと鳴った。
後ろから同学年のグリフィンドール生に声をかけられたのだ。
ここまで噂になっていると言うことは否定しても逆効果、ここは正直に言うべきね...と思いAは眼鏡の位置を整えながら振り返る。
「えぇ___実はね」
Aはいかにも大人の女性のように余裕たっぷりに言うと、
初めて対面したその女子生徒はふぅん、と小さく言って見下すように僅かに上を向く。Aの方が身長が高いので実際見下せてはいないのだが。
「どうしてあなたが奪えたの？フレッドの唇」
「真実の愛...じゃない？」
ノッテボームの人間が真実の愛を口にするなんて馬鹿馬鹿しいと内心思いながら、その脳内は優越感で満たされていた。
真実の愛という言葉が気に入らなかったのか、女子生徒の片眉がピクリと動く。
「あなたは知ってるのね、フレッドの唇の味」
やけに遠回しな女子生徒の言葉にAは少し困惑する。どうしてもっと直接的な攻撃をしないんだろうか。
「知ってるわ、私だけ」
「じゃあ私が今からフレッドにキスをしたら、私もフレッドの唇の味が分かる？」
「さぁ、私の味しかしないんじゃない？上書きしちゃったから」
ここでAと女子生徒の間にやっと火花が散った。
ライバルと言えるライバルができたのは初めてだった。
「フレッド、かわいそう...あなたのせいで唇が血生臭くなってしまったなんて」
「んふ、まさか私が失敗したと言うの？面白い冗談ね、私はテクニシャンなの」
Aは女子生徒との距離をカツカツと靴音を鳴らし縮める。
お互い表情を崩さない。女同士の戦いだ。
Aは女子生徒の顎を掴みそのままぐっと顔を引き寄せる。
「なんならこのままお見せしましょうか？私のテクニック」
パシンと破裂音がなり、Aの眼鏡が吹き飛ぶ。
目の前には顔を真っ赤にして震える女子生徒がいた。
「あら、すぐに手が出る女の子は嫌われちゃうわよ」
「...ッ！」
「なんて哀れなお嬢様...きっと蝶よ花よと大切にされて、何も教えてもらえなかったのね...そんなあなたがキスの味を知るのはまだ早いんじゃなくって？きっと金の味も分かりやしないわ」
Aは眼鏡を拾い、女子生徒へ体を向き直す
「キスはね、金の味がするの」
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とくめい(プロフ) - 見つけて一気に読んじゃいました...好きです...！更新待ってます！！ (12月1日 15時) (
レス) @page32 id: e5f130972d (このIDを非表示/違反報告)
瑚春(プロフ) - うわーん横取られたいです… (10月10日 19時) (レス) @page32 id: a458b63a33 (このIDを非表示/違反報告)
moon - めっっちゃ面白いです！最高です！更新待ってます！ (10月7日 8時) (レス) id: c2609fd96d (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ☆宙☆さん» わ〜ありがとうございます〜！そう言っていただけて嬉しいです...！更新頑張りますね〜！ (2023年3月9日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
☆宙☆(プロフ) - はじめまして！コメント失礼します！毎日楽しみに更新を待つほど大好きなお話です！これからも頑張ってください！応援してます！(^^) (2023年3月9日 20時) (レス) id: 00d954112a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年3月5日 11時
